“夢の2枚看板”で投手王国復活なるか?

今オフ、ドジャースは大谷翔平投手に加えて、オリックスからメジャー移籍を目指していた山本由伸投手をダブル獲得。それによって攻撃陣だけでなく、投手陣の補強も大成功しました。

ドジャースは伝統的に投手王国であり、2017~22年まで6年連続ナ・リーグ1位のチーム防御率をマーク。19年からは4年連続でメジャートップの防御率を残しました。

しかし、昨年は投手陣に負傷者が続出しリーグ5位に転落。特に、先発陣が9位の防御率4・57と振るいませんでした。

そこで昨年12月に山本と投手史上最高額の12年3億2500万ドル(約471億円)で契約。また、レイズからタイラー・グラスノー投手をトレードで獲得し、即5年1億3500万ドル(約189億円)で契約延長しました。

それによって、エース山本を筆頭に剛腕グラスノー、21年に自己最多の16勝したウォーカー・ビューラーで先発3本柱を確立。それにメジャー2年目のボビー・ミラー、エメット・シーハンと続きます。

彼ら先発陣に求められるのはフルシーズンの活躍です。何故なら、昨年はシーズン100勝で地区優勝したにもかかわらず、規定投球回、すなわち162イニング以上投げたピッチャーが1人もいなかったからです。

メジャーの場合、昔は200イニング以上、最近は規定投球回到達がチーム成績のバロメーターになっています。昨年6年連続地区優勝のブレーブス、2年連続プレーオフ進出のフィリーズはいずれも規定投球回以上の投手が3人いました。

今年はドジャースに1人でも多く規定投球回以上を期待したいところです。その点でも山本はオリックス時代に21、22年と2年連続でリーグ最多の投球回数、

また21年から3年連続で164イニング以上を投げています。

しかし、もう1人の新戦力グラスノーは怪我が多く、メジャー8年間で規定投球回が一度もなく、100イニングに達したのも2度だけ。また、ビューラーはトミー・ジョン手術から2年ぶりの復帰とあって、過去に同じ手術を受けた投手のようにイニング数制限が設けられそうです。

そう考えると決して先発陣は万全と言えず、先発6番手も必要になりそうです。昨年8月にロイヤルズから獲得した左腕ライアン・ヤーブローが最有力候補です。彼はメジャー7年目を迎える32歳のベテランで、先発とリリーフ両方を兼務出来る、いわば“スイングマン”です。

そして、最も気になる存在がクレイトン・カーショー。ドジャース一筋16年で通算210勝、サイ・ヤング賞に3度も輝く大投手です。昨季終了後にFAとなり、11月に左肩を手術。今年8月ごろに復帰が見込まれています。

はたして、ペナントレースで最も大事な時期となる夏場にエースが復帰し、来年の大谷、山本という日本人ダブルエースの前に、サイ・ヤング賞3度のカーショー、3年連続沢村賞の山本という“夢の2枚看板”で投手王国復活なるか注目したいと思います。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)

ドジャースのカーショー(2023年6月撮影)
ドジャースのカーショー(2023年6月撮影)