ドジャースが地区シリーズを突破し、リーグ優勝決定シリーズに進出。いよいよ、現地13日(日本時間14日)からワールドシリーズ出場を懸けた、熱き戦いが始まります。
ここまで大谷翔平投手は、ワイルドカードシリーズで2本塁打をマーク。しかし、地区シリーズでは4試合合計18打数1安打、0本塁打、9三振と沈黙。ポストシーズンでチームの看板打者は警戒され、徹底的にマークされるので、なかなか思うように結果が出ません。過去にもこんなことがありました。
最も印象に残っているのは、1981年のワールドシリーズです。前年オフにヤンキースが、FAのデーブ・ウインフィールド外野手と当時としては超破格の10年総額最大2300万ドルで契約。世界一奪還のための切り札として大いに期待されました。
ところが、ワールドシリーズで22打数1安打と極度の不振に陥り、ドジャースに敗退。当時のジョージ・スタインブレナー・オーナーが「大舞台で活躍できないのはスーパースターでないからだ。ミスター・オクトーバーでなく、ミスター・メイを獲得してしまった」と皮肉を言い、それ以来「ミスター・メイ」とやゆされました。
83年のワールドシリーズでは、フィリーズの主砲マイク・シュミットが20打数1安打と大スランプ。最終的にチーム一筋18年間で通算548本塁打を放ち、ナ・リーグ本塁打王8回、ゴールドグラブ賞にも10回輝く史上最高の三塁手ですが、地元フィラデルフィアの熱狂的ファンから大ブーイングを浴びました。
2006年の地区シリーズでは、ヤンキースの「A・ロッド」ことアレックス・ロドリゲスが14打数1安打と不振を極め、最終戦では打順が4番から8番に降格。04年にレンジャーズから電撃トレードで移籍し、ア・リーグMVPに3度も輝くスーパースターでしたが、大舞台に弱いレッテルを貼られました。
最近ではヤンキースの主砲アーロン・ジャッジが、22年ア・リーグ優勝決定シリーズで16打数1安打と不振。それでも、昨年のポストシーズンでは打率1割8分4厘ながら3本塁打をマーク。今年はチームがあえなく地区シリーズで敗退したものの、打率5割、1本塁打、7打点と一人気を吐きました。
今年はナ・リーグ本塁打王に輝いたカイル・シュワバー(フィリーズ)も、レギュラーシーズンの終盤から23打数ノーヒットと全く当たりが出ませんでした。けれども、地区シリーズ第3戦でドジャース山本由伸からの超特大アーチを含む2本塁打。最終的にチームは敗れたものの、大いに存在感を発揮しました。
大谷もフィリーズとの地区シリーズはほぼ完全に抑え込まれましたが、第3戦の7回にレフトへホームラン性の大飛球を放ち、9回には8-2と大量リードされた場面で相手チームが左投手に交代。第4戦でも7回1-0とリードされた局面で申告敬遠されました。
このように、たとえ結果が出ていなくても相手は異常なまでに大谷を警戒します。なぜなら、たった一振りでシリーズの流れを変えられるゲームチェンジャーだからです。昨年のリーグ優勝決定シリーズで打率3割6分2厘、2本塁打、6打点と活躍しただけに、今年は投打二刀流の活躍でMVPを期待したいと思います。
【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)




