ドジャースとレッドソックスによって争われている2018年MLBワールドシリーズ。現地24日にフェンウェイパークで行われた第1戦はレッドソックスが8対1でドジャースを下した。その1回裏、先頭打者のムーキー・ベッツ右翼手は中堅への安打で出塁すると、すぐさま二塁への盗塁を決めた。これが先制点への布石となっている。

この盗塁について試合後テレビのインタビューで聞かれたベッツは「カーショーが(今シーズン)3つしか盗塁を許していないことが重要だ」とドジャースの先発クレイトン・カーショーから奪ったことの重要性と、アグレッシブに行こうと思っていたことを話した上で「それとタコスが欲しかったんだ」と付け加えたのである。

 このタコスとはなにかというと日本でも展開しているファストフード・チェーン、タコベルが展開している「ベースを盗んで、タコを盗ろう」キャンペーンのことだ。ワールドシリーズで最初に盗塁を決めた選手を表彰し、さらに後日アメリカいる誰もが無料でタコスを貰えるというものである。今年はオンラインで申し込むと11月1日にドリトス・ロコスタコという製品がプレゼントされるということだ。さらに同社の店舗では限定キャップが販売される他、トレーディングカードのトップスは過去6人の達成選手の限定カードを販売し、そのカードをスタジアム近辺のタコベルで提示すれば割引を受けられるサービスまで行っている。ベッツの記念カードも試合の24時間後からオンラインで販売されている。

このキャンペーンは2007年から毎年行われており、ベッツが言及するほど定着しているのだ。MLBのノア・ガーデン副社長は「我々はタコベルと「ベースを盗んで、タコを盗ろう」プロモーションでファンのための楽しい伝統を作り上げた」と胸を張る。

ただ安打や三振に比べて盗塁は出る機会が少ない。第1戦1回での決めたのは2016年、インディアンズのフランシスコ・リンドール以来2回目である。一方、昨年のワールドシリーズで最初に盗塁を決めたのはアストロズのキャメロン・メイビンで第2戦の延長11回だった。

今年のワールドシリーズ初盗塁で、皆にタコスをプレゼントすることとなったベッツがこれを機会に波に乗ることを期待したい。