3月29、30日に予定されているアスレチックスとマリナーズの2019シーズン開幕2連戦は2012年以来の日本開催となる。昨シーズンマリナーズの会長付特別補佐に就いていたイチロー外野手の出場が確実とあって元々これまで以上の注目を集めていたが、さらに菊池雄星投手が契約に合意したという報道もあり、いきなり凱旋登板があるかもとさらにその注目度は上がりつつある。

そんな日本での2試合と同等の注目を集めているのが、6月29、30日にイギリス・ロンドンで開催されるレッドソックスとヤンキースの2連戦だ。MLBのレギュラーシーズンゲームがイギリス、さらにはヨーロッパで開催されるのは史上初である。

昨年5月の開催発表でロブ・マンフレッドMLBコミッショナーは「野球を成長させるために現在行っているの努力において、ライブゲームや優れた選手をファンにもたらすほどのインパクトはありません。これはヨーロッパに対しこれまでで最も重要な取り組みであり、世界の大都市の1つでメジャーリーグの野球を紹介することを楽しみにしています」とその意気込みを語っている。

しかもそのカードがMLBで最も知名度が高いライバル対決なのだ。コミッショナーも「MLBは、スポーツ界で最も有名なライバルの1つをロンドンの熱狂的ファンに紹介することに興奮しています」と語っていた。しかもレッドソックスは昨シーズンのワールドシリーズチャンピオンという肩書きまで手に入れている。

レッドソックスのジョン・ヘンリー主席オーナーによればこのロンドン開催について「克服しなければならない重大な課題」があったため、数年の議論の末開催にこぎ着けたということだ。そしてヨーロッパでの開催だけでなく、レッドソックスとヤンキースがボストンとニューヨーク以外で対決すること自体が史上初だとしている。一方ヘンリー・オーナーが筆頭オーナーを務めるフェンウェイ・スポーツグループはサッカー・プレミアリーグのリバプールFCの親会社でもあることからロンドン開催に前向きだったようだ。

試合会場となるのは、2012年のロンドンオリンピック(五輪)でメインスタジアムとして使われたロンドン・スタジアム。ロンドン五輪では野球が開催されなかったこともあり、ロンドンに大型の野球用スタジアムがなく、この2試合のために仮設で野球仕様に改装されるという。収容人数は5万7000人となっている。

MLBは既にインスタグラムやフェイスブックにチケット情報やニュースを伝えるアカウントを開設し、情報発信を続けている力の入れようだ。こちらの歴史的海外開催試合にも注目したい。

なお、カードは未発表ながら2020年もロンドンで2試合の開催が決定している。