現地15日、スポーツ専門局ESPNが2014年に複数のマイナーリーガーが起こした集団訴訟について、MLBが1億8500万ドルの和解に合意したと報じた。

これはマイナーリーガーの多くがレギュラーシーズンとプレーオフの期間だけ、年4800ドルから1万4700ドルの給与を受け取り、MLBがスプリングトレーニングや指導リーグでのプレーに対しては給与の支払いを禁止していたことを問題視したもの。

これに対し、マーリンズ傘下のマイナーリーガーだったアーロン・セネ氏らがカリフォルニア州、アリゾナ州、フロリダ州の最低賃金法、およびカリフォルニア州の超過勤務法に違反したと訴訟を起こしていたのである。

8年に及んだ訴訟は今年5月10日に示談で合意し、判事が承認すれば正式決定になるという。1億8500万ドルのうち選手には1億2020万ドルが分配され、残りは弁護士報酬やその他の費用に充てられるとのことだ。原告団は約2万3000人いるため、それぞれ5000ドルから5500ドル程度を受け取るに過ぎない。

今回、スプリングトレーニングなどへの給与支払いを妨害することの禁止も盛り込まれた。ただマイナーリーガーにはMLB選手会のような労働組合がなく、団体交渉が出来ないため、MLBは新たな報酬ルールと一方的に決めることができるままだ。

さらに19日、ロブ・マンフレッドMLBコミッショナーは、オーナーはマイナーリーガーにもっと給料を払う余裕がないのか、それとも単に払わないことを選んだのか、という質問に対して、「マイナーリーグの選手に生活費が支払われていないという質問の前提を、私は否定します。マイナーリーガーの多くがすでに受け取っている契約金を差し引いても、ここ数年、マイナーリーガーの給与は大きく前進しています。また、住居も提供されており、これも明らかに報酬の一形態です」と反論している。

たしかに近年マイナーリーガーの給与は引き上げられており、今年からチームが住宅を提供することが義務づけられた。ただ大部分は給与の貧困ラインを下回っているのが実情だ。

マイナーリーガー擁護団体の事務局長であるハリー・マリノ氏は、「マイナーリーガーのほとんどは、年俸が生活費に足りないため副業をしている。コミッショナーの年俸は1750万ドルだ。マイナーリーグの給与が許容範囲であるという彼の発言は、冷淡で間違っている」とコメントしている。

この問題は今回の和解では一件落着とはなりそうにない。