ジャイアンツからFA(フリーエージェント)となっていた青木宣親外野手(33)が2日(日本時間3日未明)、マリナーズと合意したことが分かった。米メディアなどが報じたもので、1年契約で2年目は球団オプションの内容。メディカルチェックを受けた後、一両日中にも正式発表される見込みだ。かつてはイチローが活躍したシアトルの地で、青木がプレーすることになる。

 メジャー5年目の職場として、青木が選んだのは日本のファンにとってもなじみの深いシアトルだった。ジャイアンツとの残留交渉をはじめ、パドレスなど複数球団が興味を示す中、外野の補強を進めるマリナーズと合意に達した。

 青木にとって、移籍先を絞るポイントは、「出場機会」と「家族の生活環境」だった。今オフのマ軍は、グティエレスと再契約したほか、レンジャーズからマーティンをトレードで獲得するなど、積極的な補強を続けてきた。その一方で、この日、長距離砲トランボをオリオールズに放出するなど、着々と「外野再編」を進めてきた。

 実際、外野の定位置はそれぞれ確定しておらず、今季44本塁打の大砲クルーズにしても、右翼とDHの「併用」を予定。外野の全ポジションをこなすだけでなく、高い出塁率、スピードのある1番打者候補の青木は、今季、得点力不足に泣いたマ軍にとって最も必要なピースだった。

 生活環境としても、日本人コミュニティーのあるシアトルは申し分ない。かねて、代理人のネズ・バレロ氏が「西海岸は日本人にとって住みやすい」と話していたように、食事、治安、気候とも適応しやすく、安心感がある。幼い子供を抱える家族の生活を考慮した上でも、マリナーズへの心象はプラスだった。

 マ軍といえば、過去、95年の鈴木誠(マック鈴木)以来、常に日本人選手が所属し、日本のファンに最もなじみ深いチーム。今オフ、FAとなった岩隈と青木は、同学年とあって親交が深く、岩隈残留となれば同僚としてプレーすることになる。マリナーズの「1番右翼」といえば、かつてはイチローの指定席で、地元ファンから「エリア51」と呼ばれた守備位置。今年8月9日の頭部死球から、完全復活を期す青木にとって、これ以上の環境はない。

 ◆マリナーズに所属した日本人 初めて所属したのは95~99年の鈴木誠(マック鈴木)。00~03年に在籍した佐々木はクローザーとして活躍。01~12年に所属したイチローが守った右翼は「エリア51」と呼ばれた。02~05年長谷川、04、05年木田、06~09年城島、12年川崎、12~15年岩隈と、鈴木の入団以降、毎年日本人が所属している。