100年の時を超え、本格的二刀流として比較されるエンゼルス大谷翔平投手(27)とベーブ・ルース。だが2人の共通点は、それだけにはとどまらない。第1次世界大戦下でスペイン風邪の感染爆発が起こった1918年、当時レッドソックスの先発エースだったルースは、打撃でも他に類を見ないペースで本塁打を量産し、人々を熱狂させた。

野球歴史家のビル・ジェンキンソン氏は「不安に包まれた社会の中で、彼は人々に希望を与える存在だった」と指摘する。ルースは、米スポーツ界で最初に慈善活動を行った選手でもあったという。多くの子どもたちの手本であり、野球を超えた存在。それゆえにイメージキャラクターとして多くの企業に望まれ、米スポーツ界で最初に専属の広報担当と契約した選手の1人でもあった。

それはちょうど、コロナ禍以降初のフルシーズン開催となった昨季、二刀流旋風で野球ファンの目をくぎ付けにし、球界を盛り上げた大谷と重なるものがある。その礼儀正しさも含めて多くの人々の手本となり、MVPなどあらゆる賞を総なめした二刀流の後継者が、人々に希望を与える存在になった。【MLB担当・水次祥子】