ドジャース大谷翔平投手(29)のホームランボールを待つ人たちが外野席にいる。ボールがスタンドに飛び込めば、争奪戦となり、ゲットしたファンは歓喜する。
記者も、5月8日のマーリンズ戦(ドジャースタジアム)で外野席をチケット購入して観戦。過去データを検証し、本塁打の落下地点を予想して、お宝キャッチに挑んだ。6月は大谷のメジャー移籍後、本塁打が最も多い月。次にゲットするのは、あなたかも!?
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5月5日のブレーブス戦、約20人の争奪戦の末にサンディエゴ在住の学生のブラウリオ・ベルトランさん(18)が10号のボールを捕った。奪い合った時に負傷した右肘の傷を見せ「とても気分がいい。まだ震えているよ」と大興奮だった。
4日の同戦では、大学生のドミニック・ブレラさん(20)がロバーツ監督を超える日本出身選手の球団記録となる8号の記念球をゲット。ヤンキースファンながら、うれしそうだった。ファンはなぜ、ホームランボールを求めるのか。バックネット裏の記者席ではなく、外野席から体感した。
ブ軍戦での3戦3発の量産態勢を受けて6~8日のマーリンズ3連戦を候補とした。ナイター2試合、デーゲームが1試合。5日のブ軍戦で左腕エースのフリードから中堅バックスクリーンへ9号2ランを放った大谷の言葉を参考に、8日のデーゲームを選択した。
「デーゲーム特有の風というか、そういうのもあったと思うので、打感的には入るか入らないかっていうくらいだと思うけど、比較的しっかり入ってたのでデーゲームの力もあるかな」
通算では昼夜ともに約14打数で1本の本塁打率。だがド軍移籍後は5日時点でナイターで約15打数に対し、デーゲームは約13打数で1本。昼の方が大谷の言葉通り1発がより望める。
日程選択の次は、座席の選択だ。先発は左腕のウェザーズ。マーリンズ3連戦前までの181本塁打のうち、47本塁打が左腕相手だった。打球方向は右翼が22本、中堅が18本、左翼が7本(データはベースボール・サバント参照)。中堅から右翼への割合が多く、中堅から右翼席に絞られた。
ウェザーズは、速球の平均球速が96マイル(約154キロ)の速球派左腕。大谷が左腕の球速95マイル(約153キロ)以上の速球系を本塁打にしたのは、47本中2本で、ともに右翼方向だった。徐々に右翼席へと絞り込まれる中、さらに、ウェザーズの投球を深掘りする。
左打者への配球は速球系(フォーシーム、ツーシーム)、スイーパーが約88%を占めた。大谷が左腕の速球系を本塁打にしたのは47本中26本で、右翼が12本、中堅が9本、左翼が5本。左腕のスライダー系を本塁打にしたのは47本中15本で、右翼が8本、中堅が6本、左翼が1本だった。以上の条件から右中間席に決定。5日の飛距離464フィート(約141メートル)の特大弾を踏まえ、後列を選択した。
試合開始1時間前、チケットを購入し外野席に着席。周囲に目を向ければ、年齢を問わず、グラブを持参するファンの姿が目に映った。両親、息子、娘の4人ともがグラブを持参するファミリーも。イニング間に行う外野手のキャッチボール後のボールを求め、一斉に立ち上がって、大声を張り上げるファンの多さに驚かされた。
太陽が照り付ける中、遠く離れた大谷の打席に息をのんだ。第1打席は、95・7マイル(約154キロ)の速球を見逃し三振。第2打席は、スイーパーにバットが空を切った。第3打席は97・1マイル(約156キロ)の速球を左飛。最終打席は3番手の左腕ナーディの前に95・1マイル(約153キロ)の速球で左邪飛に凡退し、無安打に終わった。
大谷の言葉をヒントにデーゲームを狙ったが、左腕の95マイル以上の速球に対しては2本塁打だけ、のデータもある意味正しかったか…。推定135メートルを着弾点と読んで、右中間席の後列に陣取ったが、願いは届かず。ふと右を向くと、大谷のモノマネ「ミニタニ」で有名なアキ・テリヤキがカメラを手に観戦していた。
46本塁打を放ち覚醒した21年以降に絞れば、右中間から右翼への本塁打が半分以上を占め、平均飛距離は126・3メートル。今季なら右翼に128・9メートルを運んだ4月21日メッツ戦(ドジャースタジアム)の5号が「ホットゾーン」だ。大穴狙いなら左翼は11本で、平均飛距離116・5メートルのエリアか。試合開始時間、相手投手など、さまざまな状況を照らし合わせ、ホームランボールのキャッチに挑戦してみてはいかがでしょうか!?【久保賢吾】



