ブルワーズが、球団創設58年目でワールドシリーズ初優勝した。レイズに3勝1敗で迎えた第5戦(トロピカーナフィールド)は、2年目の剛腕ジェーコブ・ミジオロウスキー投手(24)が6回途中無失点で2勝目。新人クーパー・プラット内野手(22)が決勝打を放ち、投打で若い選手が牽引(けんいん)した。30球団で最も市場規模が小さい本拠地のミルウォーキー圏に歓喜を届けた。
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金はなくとも、知恵で勝つ。ブルワーズ式野球が結実した。先発の剛腕ミジオロウスキーは、直球の平均球速を101・1マイル(162・7キロ)に制御しながら、5回2/3を2安打無失点。三振は自己最少タイの2。球数を抑え、打たせて取った。「自分の持てるものを全てフィールドに出し切れた」。右足けいれんで降板したが、延長で敗れた第4戦で救援陣が疲弊していると理解していた。
プラットは2回1死一、二塁、初球のカットボールを二塁手の頭上に運ぶ先制打とした。「人生で最高の瞬間の一つだ。現実離れしているよ。たった4カ月でこんなことになったんだ」。6月にメジャーデビューしたばかり。ブ軍流で大振りせず、センター返し中心。この後も連続打席安打をシリーズ新人記録の6まで伸ばした。
メジャーの主流と異なる、スモールベースボールで勝ち上がってきた。リーグ最少本塁打ながらリーグ2位の得点を重ねた。8月末の年俸総額は19位。ヘイダー、バーンズ、アダメス、ペラルタら主力選手を次々に放出しても、最近9年で8度のポストシーズン進出。67歳のマーフィー監督は、カウンセル前監督がカブスに引き抜かれた後、コーチから昇格。全力疾走を怠れば、主軸のコントレラスさえ交代させるなど規律を徹底した。就任から2年連続最優秀監督に選出。「選手は共通の考え方を持っていた。お互いを大切にした。うまくいっていないときも、ひるまなかった」とたたえた。
小規模市場の低年俸球団が、若手の抜擢(ばってき)と規律の徹底で頂点に立った。労使交渉にも影響を及ぼしそうだ。
▼ブルワーズは44年ぶり2度目のワールドシリーズ(WS)出場で初優勝。初優勝は、23年レンジャーズ以来で26球団目。球団創設58年目の優勝は、レンジャーズに次ぐ4位のスロー記録。ポストシーズンでは11勝2敗、勝率8割4分6厘は3位タイとなった。
▼ウィリアム・コントレラスはWS初優勝。兄のウィルソンも16年にカブスで優勝しており、1試合でも出場した兄弟Vはモリーナ兄弟以来10組目。捕手のMVPは15年ペレス以来8人目。
▼プラットは6打席連続安打で、78年ブライアン・ドイルを超えるワールドシリーズの新人記録を更新。シリーズ通算7打点は51年にギル・マクドゥガルドに並ぶ新人タイ。
▼救援左腕アシュビーは、ポストシーズンの連続イニング無失点が18で終了。同一年では16年ミラーの16回を抜いて、救援投手の連続無失点記録を更新。
◆ミルウォーキー・ブルワーズ 球団拡張に伴い1969年創立。1年目だけパイロッツの球団名でシアトルに本拠地を置いた。70年にバド・セリグ氏が球団を買収して移転。球団名は主要産業の「ビール醸造者」から。97年までア・リーグに所属し、82年に初の地区V、リーグVでワールドシリーズに進出。11年に29年ぶりに地区V。18年からの9年間では地区優勝6度、ポストシーズン進出8度。過去に日本人選手は野茂、マック鈴木、野村、大家、斎藤、青木が所属。本拠地はアメリカンファミリーフィールド。



