最大借金9から一時は貯金2まで持ち直し、前半戦は浮き沈みを繰り返しながら戦い抜いた。ロッテ・サブロー監督(50)は「もっとできた」という悔しさと、パ・リーグ5位の現実、その両面を受け止めながら前半戦を振り返った。(取材・構成=前田祐輔、星夏穂)

   ◇   ◇   ◇

前半戦は6月13日に6度目の挑戦でようやく勝率5割に復帰。その後、貯金3への壁は6度阻まれた。7月は7勝13敗。借金5の5位でターンした。

「借金9から5割、貯金まで持っていけたのはものすごく評価できると思う。でも、そこから貯金3にチャレンジすると少しタレてしまう。その繰り返しだった。勝たないといけないということを含めると、『もっとできた』と『ここまでかな』が6対4くらい」

それでも「外国人に依存せず、個々のレベルアップは去年より感じている。特に野手は時間がかかると思っているけど、去年後半から始めた土台作りという意味ではうまくいっている」と手応えも感じている。

浮き沈みがあった戦いの中、区切りを決断した選手もいる。角中が現役引退を決めた。11日のオリックス戦前、監督室をノックした。目には涙が溢れていた。

サブロー監督は「20日は子どもたちがいっぱい来るって言うから、それならスタメンでいくぞって。その時に約束した。1試合やるからって」。

自身が背負った背番号3の後継者。現役時代はともに戦った。独立リーグ出身で首位打者を2度獲得。「批判があるならオレが受ける」と覚悟があった。

結果は出なかった。3打数無安打で迎えた1点を追う9回。先頭打者として最後の打席に向かう前に、角中は「(石川)慎吾が良かったら代えてください」と申し出たという。サブロー監督は「代えるつもりもない。『お前いけ』って」と送り出した。フルカウントから空振り三振に倒れ「まだ最後じゃないけど、区切りとして決断した」と最後まで打席を託した。

自身は16年に40歳で引退を決断した。

「開幕戦の1打席目って毎年足が震えていたのに、最後の年は全く震えなかった。『これあかんわ』と思った」

ベテランだからこそ分かる、体や心の微妙な変化が引き際を決断した理由だった。選手なら誰もが迎える胸中。角中と同じく長くチームをけん引してきたベテラン益田は10日に通算249セーブ目を挙げた。

昨秋のキャンプにベテランでは異例の参加。若手とともに汗を流し、開幕後も出番が限られる中で一切不満を口にしなかったという。サブロー監督は起用の意図を語った。

「一番は調子が良かったこと。でも、あの姿勢があったからこそチャンスを与えたかった」。名球会入りの250セーブまであと1つ。「できればマリンで決められたらいいけど、それも巡り合わせ」。

28日からのオールスターには監督推薦の横山に加え、鈴木、小川、西川がファン投票で選出された。サブロー監督自身、2度出場したがファン投票ではなかった。

「敬意をこめて」と、食事に誘った。鈴木、横山は予約困難な名店の寿司。西川は直前のケガで来られなくなったが、小川には熟成肉で有名な銀座の高級ステーキを振る舞った。「次打たれたら回転寿司なって。打たなかったらファミレス」とジョークを言いながら飛躍を期待する。

31日からは後半戦がスタート。キーマンには、投手では小島、新加入の左腕助っ人ルケーシー、野手では藤原と西川の1、2番コンビを挙げた。

「前半戦は、この2人を抑えられると負けが多かった印象。うちで一番いいバッターを並べているわけだから、得点源としてやってもらわないと」。

7月、不調に陥った西川にはあえて口を出さなかった。「自分で気づけという意味で黙っていた。結局は自分なんで。指導者が変わっても、自分で悪いところに早く気づける選手にならないといけない」。成長をうながしながら、目の前の勝利を追う。