大関経験者で西前頭2枚目の朝乃山(29=高砂)が、2日目の琴ノ若戦以来、5日ぶりの白星を挙げた。20年初場所以来、3年8カ月ぶりの顔合わせとなった前頭阿炎を押し出して3勝4敗。連敗を「4」で止めた。敗れていれば、19年春場所などに並ぶ、自己ワーストの5連敗となっていたところを踏みとどまった。8日目は、先場所初日に敗れた前頭明生と顔を合わせる。
阿炎のもろ手突きに、朝乃山は立ち合いから上体をのけぞらせた。それでも構わず前に出続けると、たまらず引いた相手の動きに対応。一気に土俵際に追い詰め、最後まで前進をやめずに押し出した。「相手は、はたきもあるけど、怖がっていたら足も出ない。怖がらずに前に攻められた。圧力をかければ引いてくれると思っていたし、狙い通りではないけど、押し込んで、相手が逃げた方向にも対応できたのでよかった」と、まわしにこだわらず、攻めの姿勢を崩さなかった相撲を納得顔で振り返った。
前日6日目から「闘虎」の文字とトラのイラスト、富山商高時代の相撲部監督だった、故人の浦山英樹さんの名前が入った化粧まわしを着けて土俵入りに臨んでいる。新型コロナウイルスのガイドライン違反で、6場所の出場停止で三段目から再起後、この化粧まわしを着けたのは、今場所6日目が初めて。「(浦山)先生の名前が入った化粧まわしを着けるからには、勝ちたい思いがあった」。前日は敗れていたが、早く勝ちたい気持ちが強かった。本人は「関係ないです」と笑って話していたが、ちょうどプロ野球の阪神タイガースが優勝した翌日から着用。今、最も強さを象徴するともいえる、トラのイラストが入った化粧まわしを力に、連敗を脱出した。
前日6日目は、新大関の豊昇龍に右からの下手投げで敗れた。先場所7日目も、右からの上手投げで敗れた相手で「春巡業から見ていて(豊昇龍は)右からの投げが強い印象だった」と、警戒していた中での黒星。豊昇龍との対戦成績は3戦全敗となった。前日の取組後には「本場所で(右からの投げを)食らうということは、まだまだ勉強不足」と反省していた。
前日までに3日連続で大関戦に敗れ、3日目の小結錦木戦と合わせて、4年半ぶりに4連敗していた。さらに「(連勝発進した)最初の2日間は何だったのか。まぼろし…」と、勝った初日、2日目まで偶然だったと思い始めたのか、自信を喪失した様子を見せていた。それでもこの日の取組後は「ホッとしてはいない。白星を先行させたい。明日(8日目)から、また勝負です」ときっぱり。場所前に右足親指を痛めた影響もあり、必死に立て直しを模索した中で、ようやくつかんだ白星に、少しずつ自信を取り戻し始めていた。

