政界地獄耳

下村こそ職場放棄だ/政界地獄耳

★9日、自民党憲法改正推進本部長・下村博文はテレビで「(衆参両院の)憲法審査会で憲法改正について率直な議論をすることさえしないのは、高い歳費をもらっている国会議員の職場放棄ではないか」と言ってのけた。下村は3日にも憲法議論が進まないことから「安倍政権のもとでは議論したくないと思っている人が多い。自民党全体でしっかり対応しながら、『安倍色』を払拭(ふっしょく)していくことが必要だ」と発言している。

★先月23日の毎日新聞のインタビューで下村は「野党第1党の立憲民主党が『安倍政権下での憲法改正はできない』と主張するのは、国民には理解されないと思う。今後は安倍首相におんぶにだっこではいけない。『安倍改憲』ということではなく、『自民党の改憲』ということでもなく、国民が自分たちで改憲するかどうかを決める段階にしなくてはいけない」と強気だったが、日に日に発言がトーンダウンしている。

★専門外の党憲法改正推進本部長に就任したものの、強気の精神論と腕力だけでは進まない現実の壁にぶつかった。長年、弁護士資格のある議員らを軸に超党派で議論してきたものを、首相から「議論はもういいから進めろ」と言われても、下村にはグリップ出来ないだろう。ついには10日、自民党にしっぽを振った国民民主党代表・玉木雄一郎にまで職場放棄発言を「円満な環境づくりに貢献するとは思えない言葉だ。かえって憲法の議論が遠のいたのではないか」と指摘される始末。

★それどころか、ネットでは加計学園からの闇献金疑惑について「(17年7月の)都議選が終わったら丁寧に説明する」としながら、1年4カ月近く経過しても国民に対して何の説明もない下村は、「これこそ職場放棄ではないのか」と突っ込まれている。政界関係者は「入管法、消費税増税、そして森友・加計学園疑惑、いずれも来年の通常国会が主戦場になるだろう。平成の最後、統一地方選、参院選に衆院とのダブル選のうわさも出始めた。憲法議論は一体どこでやるのか」。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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