政界地獄耳

公明党に責任がないとは言わせない/政界地獄耳

★国会は野党の攻勢で会期延長も視野に入れざるを得ない状況だ。野党は司令塔がしっかりしていて、120人からの議員が各委員会でそれぞれの仕事をすれば、与党は数に任せた強行採決にたどり着けない。既に内閣支持率の数字よりも現実的な与党の限界が垣間見える。8日、与党公明党代表・山口那津男はテレビで辞任した2閣僚について「異常な事態で、国民に申し訳ない。内閣は身を引き締めて立て直していく必要がある。そもそも問題ありそうな人を閣僚に据えた。自民党が議員をどう育てるか、どう閣僚に選ぶかという問題はある」とした。

★山口の発言は連立与党の代表者の1人という自覚ではなく、他人行儀に距離を置いているが、その責任は同格ではないのか。被害者のようにふるまう立場ではないはずだ。首相が言う「責任は私にある」の先にある「責任の取り方」についても山口は連立与党の立場としての責任が伴うのではないか。自民党の議員の育成手法にも発言は及んでいるが、その問題議員たちを自民党と公明党で相互推薦し、自民党に比例は公明党と連呼させてきた公明党の政権与党としての責任が何もないとは言わせない。

★また、山口の言い分によれば、連立与党は隣から批判だけしていればいいことになる。それでは都合のいい時は与党、悪い時は野党の立場を使い分けることになる。国民から見れば自民党・公明党の政権であることに変わりはない。公明党は苦言を言うだけではなく、信頼回復に向けもっと自民党を批判し国民に謝罪する立場なのではないか。公明党は少し反対して最後は自民党案をのむことから政界では下駄の雪といわれる。山口はその声に下駄は鼻緒がないと履けないと反論したが、鼻緒に自らを例えるのならば責任も共有すべきだ。公明党も与党ボケが激しいのではないか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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