政界地獄耳

都知事選、前哨戦は小池の独り勝ち/政治地獄耳

★19日、東京都はコロナウイルス対策やそれに伴う経済対策などを盛り込んだ総額5832億円の補正予算案を発表した。休業要請などに応じた中小事業者向けの感染拡大防止協力金について、緊急事態宣言延長に伴う追加支給のため930億円を計上。27日から始まる都議会定例会に提出される。2月以降のこれまでの補正予算などを加えたコロナ関連対策費の総額は、1兆436億円に上る。財源の大半は都の独自財源で、財政調整基金からは4474億円を取り崩した。昨年3月時点で8428億円だった同基金は、今回の補正予算案で493億円になる。

★都知事・小池百合子にとってこの判断は、来月18日の都知事選告示を前に「覚悟の補正予算計上」といえる。それに加えて一応、縮小して実施予定の東京五輪の経費などもかさむため、小池にとって1兆円を超える歳出は再選戦略には手痛い出費ともいえる。だがあれだけ小池たたきを言ってきた前東京都連会長・下村博文は、党選対委員長になってからは手のひらを返すように、小池が推薦依頼をしてきたら応じるようだ。

★小池は15日の定例記者会見で、再選出馬の意向を尋ねる質問に「久しぶりそういう質問が来た。それどころではない。コロナ対策をしっかり取り組むのが現職としての最大の仕事」ととぼけたが都民ファースト、公明党、自民党が議会で賛成すれば大体のものは通る。今回の大盤振る舞いもすんなり通るだろう。無論、自民党都連にはくすぶるものもあるだろうし、小池都政を批判し続けてきた4年間をなかったことにもできないはず。だが今の小池は、無敵といえるのではないか。一方、野党は統一候補を擁立すると早々に確認したものの、めどすら立たず。まもなく擁立断念の説明があるのではないか。前哨戦では小池の独り勝ちの様相だ。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

おすすめ情報PR

社会ニュースランキング