政界地獄耳

国民に向いてない菅首相と下村政調会長/政界地獄耳

★立憲民主党参院議員・羽田雄一郎さんが新型コロナウイルスに感染し死去したことに伴う4月25日の参院長野選挙区補欠選挙は、羽田さんの弟の次郎の擁立でまとまる。これで弔い選挙の色彩が強くなる。衆院北海道2区は自民党の不戦敗が決まっていて、自民党はますます厳しくなる。5日夜のテレビ番組で自民党政調会長・下村博文が両方で自民党候補が負けた場合「菅政権にとって大ダメージになる」「自民党が両方負けることになれば、その後政局になる可能性もある」とした発言が現実味を帯びてきた。

★もっとも下村は13日の会見で「菅政権を支える立場で、私から『菅降ろし』のようなことをするはずがない。『政局』という言葉自体が適切ではなかった」と打ち消したものの、不安は的中しそうだ。ただこの発言は党幹事長・二階俊博が12日の会見で「政策は政調会長の意見を尊重するが選挙は幹事長の責任だ。しっかり対応する。ご心配なく」と反発したから出た言い訳だろうが、下村も本音はいかばかりか。

★その下村の“口撃”が止まらない。18日のテレビで、首相・菅義偉に関し官房長官当時とは異なる資質が現在求められているとの認識を示した。安倍内閣で7年9カ月にわたり官房長官を務めたことを「極めて優秀」としながらも「その手法だけではトップになると難しいというのは、指摘されればそうかもしれないと思う」と述べた。これなら二階に怒られまいとした下村のギリギリの挑発だ。昨年末、高齢者の医療費引き上げ問題に政調会長として臨んでいた下村は公明党との調整で苦しんでいたが、首相と公明党の山口那津男代表のトップ会談であっさり決着。全く出る幕がなかった。派内では経済再生相・西村康稔の台頭などで売り出しがままならない。この複雑な派内や党内事情を利用して、首相は求心力をつけようとしている。官邸も自民党も国民の方を向いてほしい。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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