政界地獄耳

【政界地獄耳】バイデン大統領、なぜ羽田でなく横田基地に来るのか

★20日午後、沖縄では米軍嘉手納基地に有事に備えて米大統領専用機「エアフォースワン」に随行する米軍の空中指揮機E4Bが飛来したと沖縄タイムスが報じた。世界は緊張関係にある。日米豪印の枠組み「クアッド」への韓国の参加について米政府は「現在のところ考慮していない」という。また新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)に台湾は参加しない」とサリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はいい、軍事面も経済面も大統領が訪日したとたんにずいぶん小さな枠に収まりそうとわかってきた。

★それでも政治部の張り切りようはすごい。朝日新聞デジタルでは記者が朝日新聞ヘリ「あさどり」から来日の様子を実況する映像を配信。同じ記者がエアフォースワンの着陸する様を原稿では「到着予定時刻の5分前、夕日に染まる山々を背景に独特のフォルムをしたジャンボ機が現れ、滑走路へと進入していった」と書いている。国民は「トランプもバイデンも、なぜ表玄関である羽田からではなく、横田基地に来るのか。『ああ、あそこに僕の専用飛行場があるからね』と言いながら植民地に来る気分か」と感じまいか。これからも一緒にやっていこうと政治家や防衛関係者は思うかもしれないが、独立国家としての国民感情もあるのではないか。

★無論、事情があるのはわかる。ウクライナ情勢は長期化し、世界は二分されようとしている。いわば戦時下だ。米韓首脳会談、続いて日米首脳会談とあわただしい日程での訪日、北朝鮮はミサイル実験の構えも見せる。日曜日の羽田に降り立つのが外交上の儀礼で、そこに外相が出迎えに行くのが外交儀典というものだろう。外相は横田基地に迎えに行った。羽田だと警備や規制、ごみ箱の撤去や全国の県警の応援と厳戒態勢、首都高の規制など国民生活に少なからず影響がある。のみならず世界は未だコロナ禍の中にある。その事情も含め解説してほしい。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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