政界地獄耳

【政界地獄耳】国民の声聴かない政治の末路か… 総選挙大敗後の韓国大統領発言に失望広がる

★総選挙での与党大敗の余波が続く韓国だが、首相・岸田文雄は米バイデン大統領との日米首脳会談を受け、韓国・尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と17日、午後7時2分から同17分まで日韓電話会談を行った。首相は会談後に「バイデン大統領との間で、日米韓3カ国の連携をはじめ、韓国の関心事についてもやりとりを行った。尹大統領と訪米の成果の情報を共有しようと思い、電話をかけた」と記者団に説明した。

★背景には日韓の懸念として横たわる円安・ウォン安問題があり、G20財務相会議の前に開かれた日米韓財務相会談につながる。また北朝鮮問題、訪朝を探る首相の考えを韓国に伝えるなどの韓半島を巡る動きも共有したと思われる。同日昼の閣議で尹は総選挙敗北後初めて「より低い姿勢と柔軟な態度でさらに多くの意思疎通を図り、私から民心を傾聴していきます」「大きな枠では国民のための政策であったとしても、細かい領域では不十分だったと思います」「国政運営が国民から厳しい評価を受けた」「大統領である私から間違っていたし、大統領から国民の意向をしっかりとくみ取れず申し訳ない」(いずれも朝鮮日報オンライン)との発言があったという。ただ、当初は閣議中継で国民に伝えるはずだったものが、スタッフに向けての非公開会議での発言となり、失望が広がった。同紙の社説には「国民の前ではなく、自分たちだけが集まる席だった。なぜそのような形を取ったのか納得できない国民も多いだろう」と書かれた。

★同日のハンギョレ新聞の社説も非公開会議では「国民の意思をよく理解して受け入れることができず、国民に申し訳ない」と語ったという。しかし、具体的な刷新案はなかった。国政の刷新どころか「自分は最善を尽くしたのに、国民に理解してもらえなかった」と悔しさを訴えたのだ(抜粋)と厳しい。どうも、どこかの国の与党の末路を見るようで、読んでいて身につまされる思いだ。国民の声を聴かない政治に国民は厳しい。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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