元AERA編集長でジャーナリストの浜田敬子氏は1日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演し、コンビニの屋根越しに富士山を撮影できる「映えスポット」に外国人観光客が殺到し、マナー違反が相次いでいることから巨大な黒い幕を歩道側に設置して富士山を見えなくすることを決めた判断に言及した。
黒い幕の設置を決めたのは山梨県富士河口湖町。歩道に面している歯科医院や、コンビニ「ローソン河口湖駅前店」の周辺に、多くの外国人観光客がたむろし、ごみが散乱したり無断駐車、信号のない道路を横切るなどの問題が相次ぎ、警備員の配置や、英語で注意を表示したものの事態は改善されなかったことから、町側は苦渋の決断として4月30日、黒い幕の設置作業を始めた。本来は歓迎されるはずのインバウンドがもたらした意外な問題は、自治体側に大きな課題を突きつけている。
浜田氏は「黒い幕の後ろにある(歩道に面している)のは歯科医院。ごみ放置や、自分のお客様の駐車場に大型観光バスが来たりという話が出ている」とした上で「こういうこと(幕の設置)はやりたくないですよね。町も、やむにやまれずと言っていますが…」と町側の決断の背景を推測。
「ある日突然、自分が住んでいる住宅とがSNSの影響で観光地になる。少し前に鎌倉のある踏切に、漫画の影響で観光客が殺到したケースもありましたが、オーバーツーリズムやSNSの問題に対し、インバウンドを国策としてやっている実態と(現場で)どうやって対応していくか、まだ正解が見えない。どこにも、こうやったらうまくいくというのがない状況」と、難しい問題であることに触れた。
その上で「こうやったらいいというのは分からないが、SNSで自分たちの町がこうやって取り上げられているということを(自治体側は)ちょっと探っていくというか『来てください』だけでなく早め早めに察知することも、もしかしたら観光課などは必要なのではないか」と私見を述べた。
現状について「マナーを守らない一部の人によって、地元住民の人にとっても富士山が見えなくなってしまう」と嘆いた。