小渕内閣の官房長官や自民党参院議員会長などを務め、影響力の大きさから「参院のドン」と呼ばれ、今年6月11日に89歳で亡くなった青木幹雄氏のお別れの会が29日、自民党と青木家の主催で、都内のホテルで行われた。

早大の後輩でもある岸田文雄首相は弔辞で、青木氏の逝去は「青天のへきれき」だったとした上で、「青木先生の言葉には、不思議な力があった。その言葉で幾度となく、政治が前に進み、時代が動いた。政治家の武器は言葉といわれるが、青木先生ほど言葉に力のある政治家を私は知らない」と述べた。

「(言葉に)特別な力があった理由は、政治家としての生き方にあったように思う」とした上で「どんな要職に就かれても腰が低く、周囲への気配りを忘れなかった。野党など少数派にも人一倍、気配りを丁寧にされていた」「分け隔てなく接し、聞いた話をけして外部に漏らさない。自らの実績を誇示せず、後輩や仲間に譲る。そうした先生から発せられる言葉だからこそ、ぼくとつとした言葉にも特別が力があったのだろうと思う。今を生きる政治家もあらためて、思いをはせないといけない」とも話した。

「政治家は、国民から特別な立場を預かっているからこそ、人を大切にして謙虚でなければならない。その思いがおろそかになった時、国民の批判を受け、政治は前に進まなくなる。政治家の心構えを、青木先生は身をもって実践されていた」と、かみしめるように口にした。

最後に青木氏に会った昨年11月のことを振り返り「早大出身者の食事会でごいっしょしたが、その時に『あなたの信じる道を行けばいい』という言葉をかけていただいた。日ごろは寡黙な先生だったが、その時のやさしいほほえみが忘れられず、今も脳裏に焼き付いている」としのんだ。

会には岸田首相のほか自民党幹部、森喜朗元首相や小泉純一郎元首相、野党の代表らも出席した。