熊本市の大竹玖瑠美さん(22)は「イオンモール熊本」(熊本県嘉島町)の爆発で亡くなった。テナントの雑貨店従業員で「気さくで優しく、玖瑠美がいるとみんなが明るくなった」(親族)。一度外に避難したが、館内に戻り爆発に巻き込まれた。雑貨店運営会社幹部は2日、戻るよう指示したと認め、遺族に謝罪。母親は「(戻らせず)帰れと言ってほしかった」と声を震わせた。

大竹さんは中学高校ではバレーボールに励んだ。親族の男性(51)は「責任感の強い子だった」と話す。3カ月前にあった親族の集まりで「笑いながら冗談を言い合ったばかりだった」という。

2日、熊本市内の斎場で大竹さんの通夜が営まれた。多くの友人らが参列し、早すぎる別れを悲しんだ。

7月28日午後4時27分、買い物客でにぎわうイオンモールを強い揺れが襲った。イオンによると午後5時ごろまでに客と従業員の避難が完了。大竹さんは買い物に来ていたいとこらと偶然駐車場で会い「売り上げを金庫に入れに行かないといけない」と告げた。

いとこらは「危ないからやめた方がいい」と制止したが、大竹さんは「会社に言われたから」と館内に戻っていった。午後5時50分ごろ。ごう音とともに外壁が吹き飛び、大量の白いちりが周囲を覆った。

天井が崩落し、金属の骨組みが激しくゆがむほどの状況で救助活動は難航。男性は大竹さんのスマートフォンの位置情報を消防に伝えた。3日後にやっと警察署で対面できた大竹さんの顔や頭には傷ややけどがあり「まるで別人だった」。署員には「顔から下は見ない方がいい」と言われた。

2日の通夜に訪れた雑貨店の運営会社「ハビタ」幹部は遺族に謝罪。イオンは7月29日に開いた会見で、大竹さんを含め死亡した7人が館内にいた理由は不明としていた。

駐車場で大竹さんに会ったいとこらは「もっと強く止めていれば」と悔やみ、食事ものどを通らない状態という。避難し、本来なら命を失うことはなかったはず。男性は「玖瑠美が亡くなった経緯を、うやむやにさせたくない」と望んでいる。(共同)