横浜・二俣川に、視覚障がい者によるバスケットボールに挑戦する若者がいる。

前例のない挑戦のため、ルールを含め試行錯誤の真っ最中。リングの付け根に備えられたFMラジオのノイズを頼りに、シュートが放たれる。決まると、ネットに付いた鈴が鳴る。「ナイスシュー!」。称賛の声に、シュートを決めた選手は笑顔をみせた。

視覚障がい者をサポートするために、神奈川県が設置し、日本赤十字社が指定管理者として運営している「神奈川県ライトセンター」で14年3月から、月2回、活動している。リーダーの群馬叶恵さん(25)は、卓球などスポーツに取り組んでいたが「バスケットボールって、世界的に広がっている競技でも視覚障がい者には広がっていない。じゃあ、やってみようかな」と仲間と4人で競技を始めた。

バスケットボールは見たことがない。でも楽しむことはできる。「指導員から『きれいなフォームだね』と言われたら、自主練習するんです」。今の球さばきやドリブルは、練習の成果だ。1対1や2対2で行う試合は白熱し、歓声が飛び交う。群馬さんは「出来ないことが出来るようになる過程が好き。視覚障がい者のスポーツって、何でも2次元で終わっちゃう。バスケの3次元がすごく楽しい」。二俣川から世界に広がる可能性もある。