米国の競馬公正安全局(HISA)は4日、パコ・ロペス騎手(39)に対し、暫定的な騎乗停止処分を発表した。「ブラッドホース」「サラブレッドデイリーニュース」などの電子版が伝えている。同騎手は3日にパークス競馬場の5R(2歳未勝利)でナショナルロー(牡2)に騎乗。1着でゴール後に馬の首付近をステッキで強くたたいた動画がSNS上で拡散され、非難が殺到している。

レースではパコ・ロペス騎手とナショナルローが先頭で最後の直線へ。ナショナルローは直線で外へ逸走気味になり、直線を向いた時点では2番手の馬と7馬身差があったものの、最後は1馬身半差まで迫られ。ゴールの瞬間は外ラチ沿いを駆け抜けている。ゴール後のコーナーで馬が減速して止まる直前、ロペス騎手が首付近に右ステッキを思い切り振り下ろす映像がX(旧ツイッター)で拡散された。

HISAは「昨日(3日)のパコ・ロペス騎手に関する事件を受けて、HISAは管轄下にあるすべての競馬活動からパコ・ロペスを暫定的に停止処分とし、即時発効します」と発表。管理するJ・ドゥアルテJr.調教師は当初、Xでロペス騎手を擁護する投稿を行ったものの、これを削除し、「私は完璧な人間ではありません。残念ながら感情に流され、パコ・ロペスの行動を擁護するためにソーシャルメディアを利用しましたが、その後、削除しました。どんな動物に対しても怒りや不満をぶつける場所などありません」という声明を発表している。

メキシコ出身のロペス騎手はこれまでに北米で4038勝を挙げているトップジョッキー。14年のウッドワードS(イッツマイラッキーデイ)でG1初制覇を果たし、18年にはBCスプリントをロイエイチで制している。

同騎手が4日に騎乗予定だった4鞍はすべて乗り替わりとなった。7日はガルフストリームパーク競馬場で騎乗予定となっているが、マイク・リポール氏(フィアースネスを所有するリポール・ステーブル)はロペス騎手で出走予定だった自身の所有馬の騎手変更を競馬場に伝え、この変更が不可能な場合は所有馬の出走を取りやめることをXで発表。「ベテラン騎手パコ・ロペスの今日の行動は完全に、まったく受け入れられず、弁解の余地がなく、非難されるべきものでした。私たちのスポーツにこのようなことは許されません。だからこそ、競馬には、これらの重要な問題すべてを直ちに審査し、迅速に対応できる全国的な統括団体と管轄権が必要なのです」と訴えている。