30日に日本公開されたブラッド・ピットとレオナルド・ディカプリオの初共演で話題のクエンティン・タランティーノ監督の9作目の長編映画となった「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は、1960年代のハリウッドが舞台。1969年8月に起きた女優シャロン・テート殺害事件を題材に、ハリウッドの光と闇を描いたフィクションですが、劇中では当時のロサンゼルス(LA)の街並みが随所に登場してノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。
50年代に登場したテレビの台頭で苦境に立たされていたハリウッドが、音楽にファッション、ポップカルチャーなどヒッピーに代表されるカウンターカルチャー(対抗文化)で盛り上がっていた時代でもありますが、そんな60年代を生き抜いて半世紀を経た現在もLAに残る歴史的価値のあるロケーションもこの作品の見所の一つとなっています。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」に登場する代表的なロケ地を回ってみましたので、現在の写真とともにお楽しみ下さい。タランティーノ監督が切り取った60年代のハリウッドが、現在のLAでも感じることができる数々のロケーションは映画ファンなら楽しめること間違いなしです。前コラムで紹介したディカプリオ演じる落ちぶれた西部劇スターのリック・ダルトンと、親友で専属スタントマンのピット演じるクリフ・ブースが夕食を共にしたレストラン「カサ・ベガス(https://www.nikkansports.com/leisure/column/la/news/201908260000257.html)」も合わせてお楽しみ下さい。
◆フォックス・ブルーイン・シアター Fox Bruin Theater 948 Broxton Ave. Westwood
カルト集団マンソン・ファミリーのメンバーによって殺害されたマーゴット・ロビー演じるテートが、自身が出演する作品が上映されている映画館を訪れるシーンに登場しているのが、ウエストウッド・ビレッジにあるフォックス・ブルーイン・シアター。現在は大手映画館チェーンのリージェンシー・シアターの経営になっていますが、1937年に建てられた建物は今も健在で、映画ファンに愛される歴史ある映画館の一つです。テートがここで映画を観るシーンも登場していますが、本作のオープニングにはテート同様にここで本作を鑑賞しようと多くのファンが訪れたそうです。
◆エル・コヨーテ El Coyote 7312 Beverly Blvd. Los Angeles
テートと友人がその夜に殺されてしまうとは知らずに人生最後となる食事をしたレストランが、ハリウッドにほど近い場所にあるメキシカンレストランのエル・コヨーテ。テートと友人は実際に1931年にオープンしたこのレストランを訪れて食事を楽しんでおり、当時テートたちが座ったのと同じ席で撮影をしたそうです。
このレストランから数ブロック東にある20年代に建てられた映画館「ニュービバリー・シネマ」も劇中に登場しています。
◆ムッソー&フランク・グリル Musso & Frank Grill 6667 Hollywood Blvd. Hollywood
1919年にオープンした100年の歴史を誇るハリウッド最古のレストラン「ムッソー&フランク・グリル」も登場しています。ハリウッドの黄金時代にはチャーリー・チャップリンら往年の名スターたちも訪れていたことで知られる有名店ですが、劇中ではダルトンとブースがアル・パチーノ演じる映画プロデューサーとお酒を飲むシーンに登場しています。このレストランの建物をのぞいて周囲はすっかり様変わりしており、当時の面影はまったく残っていませんが、駐車場のシーンに出てくる美しいビンテージの壁は今も建物の裏に残っています。
◆シネマドーム Cinema Dome 6360 Sunset. Blvd Los Angeles
ブースが運転する車でダルトンと共に映画のプレミアを行っている映画館の前を走るシーンに登場しているのが、ハリウッドに1963年にオープンした映画館「シネマドーム」。LAの歴史文化財にも登録されているゴルフボールのような形をしたドーム型シアターは、ハリウッドのランドマークの一つとして親しまれています。
◆スーパー・エイ・フーズ Super A Foods 2925 Division St. Glassell Park
マンソン・ファミリーのメンバーである若い女性たちが、集団生活する「スパーン・ランチ」に持ち帰る食べ物を探すため、ゴミ箱からパンなどを拾うオープニングシーンに登場するのが、LAダウンタウンの北部にあるスーパーマーケット。ローカル色が強いなんの変哲もないスーパーですが、今年のアカデミー賞で楽曲賞を受賞したレディー・ガガ主演の「アリー/スター誕生」でもガガ演じる歌手の卵がブラッドリー・クーパー演じるスターと共に駐車場で歌を作るシーンの撮影が行われています。
◆パラマウント・ドライブイン・シアターズ Paramount Drive-in Theatres 7770 Rosecrans Ave. Paramount
ブースが家として暮らしているトレーラーが停まっていたのが、ドライブイン・シアターの隣という設定。巨大な駐車場に停めた車に乗ったまま映画を観るドライブイン・シアターは、50年代のアメリカで大流行した文化の一つですが、今ではそのほとんどが姿を消しています。54年にオープンしたパラマウント・ドライブイン・シアターズは、22年の閉館を経て93年に復活しており、今もここで映画を楽しむことができます。
◆殺害現場となったテートが住んでいた家 10050 Cielo Dr. Los Angeles
ロマン・ポランスキー監督とテート夫妻が暮らしていた家は、事件後に取り壊されて今は残っていませんが、劇中では夫妻の隣家にリックが住んでいるという設定になっており、実際にこの邸宅があったビバリーヒルズに隣接するビバリー・クレストの閑静な住宅街で撮影が行われています。ブルースが急カーブの坂道を見事なハンドルさばきで運転するシーンなどもここで撮影されています。
(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)









