和歌山を流れる紀の川の下流で11日、「へら研阪神クラブ」の例会が行われ、28人が参加し、ヘラ2匹の長寸を競った。良型が釣れ続く川辺橋右岸上手に入り、長竿の底釣りで挑戦。開きを抑えたグルテンでヘラの食いを引き出し、美しい魚体をした29・7~38・7センチを23匹釣り上げた。どの魚も引きが強烈で長竿を両手で支えながらのやりとりが最高だった。

 午前7時すぎ、川辺橋上手右岸(支流が流れ込み、消波ブロックが点在するポイント)に入った。前々日の雨で水は高いが、水質は良好。竿は16尺。エサは拡散性の高いグルテン(1対1粉末マッシュ50cc、へらグルテンLL50cc、水100cc)を用意した。

 東風が吹き、気温0度、水温13度。十数人も入川したことと冷え込みで早朝は食いが渋かったが、同9時すぎから竿が立ちだし、中州周りでモジリが出だす好気配。竿を25尺に替え、片キン(長ハリスにオモリを打ち、流れを抑える釣り方)で沖を攻めていく。

 すると、すぐ上手の会員が同様の釣りで34センチの本命を釣るが、私のウキには触りだけ。どうやら餌が開きすぎてヘラが上ずっている感じ。そこで開きの小さな「わたグル」単品にし、小指の先ほどの大きさの餌にするとムズッとしたアタリで29・7センチが食ってきた。

 その後も、小さなアタリや食い上げアタリで30~33センチが次々ヒット。引きが強く、玉網を出すと再び反転し、両手で竿を持たなければならないほどのやりとりがたまらない。隣の妻も33センチ前後を立て続けに食わせ、立ち上がってパワフルな引きに応戦。

 そして昼前、なじみかけたウキが止まり、チクッとした鋭いアタリを合わすとゴクン。ずっしりした重量感が竿ごしに伝わる。慎重に取り込んだのは体高がある美しい38・7センチ。すぐに同様の32センチを追加した。

 午後からは気温が上がったものの、風が強く、西へ東へめまぐるしく向きを変えるが、ヘラの食いは良く、32センチ前後が3連発。34・5、30センチのダブルもあるなど、順調に釣れ続き午後3時前に23匹で納竿。優勝は紀の川と住吉川の出合い付近に入った北尾博之さんで40・7、37・2センチをそろえた。

 自然豊かな紀の川の景観にいやされながら川ベラのゴツンとした手応え、強い引きを満喫した。朝の気温がもう少し高くなれば、温かい雨と共に乗っ込みが始まりそうだ。【日刊FPC・藤井秀和】

 【交通】阪和自動車道の和歌山北ICを出て信号を左折。県道134号を東へ。川辺橋の高架をくぐり、小さな橋を右折。河川敷へ降り、上流へ進み流れ込みへ。