ジトジトした梅雨を乗り切れ! 入梅からしばらく雨がなかったが、いよいよ青空が見えなくなった。24日には、山梨・西湖で本社杯ヘラブナ予選が開催される。山の天気は変わりやすい。天候の変動で落ち着かないのは、人間もヘラも同じ。道場の関川康夫師範代が15日、高松ロープでサオをだした。

 重い雲が立ち込める。風は北東から。標高900メートルの西湖では、うすら寒く感じる。15日、天気予報では正午から冷たい雨。朝からパラパラときた。うー、予報、外れた。それでも、ヘラは動いていた。表層でもんどり打つようにして群れで暴れている。

 師範代 ヘラ、やる気あるな…と思ってしまう。ジョウハチ(18尺のサオ)で勝負できるか、と。ところがねぇ、世の中、そんなに簡単な話はないんだよ。

 師範代、ぼやきで始まった。1時間、サオ18尺で挑むものの、カラツンしか来ない。粘ったが結果が出ないため14尺に替えた。

 師範代 まず、エサを打つときに、なじむ(エサが下まで落ちて糸が一直線になりウキが止まること)までにどんな動きがあるか。

 一体、どういうこと?

 師範代 ヘラがいればウキが揺れて、タナが浅いことが分かる。サオ18尺だとして、なじむ前に反応があったら、思い切って15尺に切り替える。何もなければ、まだヘラのいるタナは深いだろうから、21尺ぐらいで様子をみるといい。

 まずは、ヘラが濃く存在する場所を探す。浮いて目に見える、やんちゃなヘラに惑わされてはいけない。

 梅雨の天気がクセ者だ。

 師範代 雨や曇りだと、警戒心が薄れてタナは上がる。晴れなら水質はクリアだから、糸もしっかり見えるので活性はあがらない。

 湖の中の明度で魚の動き方は変わってくる。

 師範代 西湖の場合、自然環境の変化を頭に入れる。(1)風向き(2)波の高さ(3)湖流の3つの力が影響する。そこを計算してエサづくりをするといい。

 この日は3つの力がすべてそろった。釣りづらい。

 師範代 見えるヘラを無視したいので「バラけるけどタナまでまとまったまま」エサを落としたい。「凄麩」「天々」「グルバラ」「GTS」を1ずつ、そこに「粘力」スプーン1杯を混ぜて、水1を回して、熊手でしつこいぐらいにかいていく。バラけるけど、閉じるというイメージ。それでも浅い位置のヘラに邪魔されるなら、「天々」をパラパラと調整用に使う。

 この日は、今月3日の神流湖予選1位通過の秋山文宏さんと一緒。午前釣行で、師範代は19匹、秋山さんはサオ13尺で21匹。サイズは31~35センチとそろっていた。

 師範代 ハタキが終わって、回復に向かっている。まだ荒食いというほどでもない。予選の24日なら、食い出すかも。みなさんの健闘を祈ってます。【構成&撮影 寺沢卓】

 ▼宿 西湖「樹海荘」【電話】0555・82・2387。8月31日まで出舟午前5時、午後5時帰着。遊漁料は高校生以上が600円、女性は300円。ボートは2500円~。

 24日の予選会は20人募集で、まだ参加者を受け付け中。当日受け付けは午前4時、出舟は同5時。競技エリア&検量時間は当日発表します。総重量審査で上位5人が決勝に進出する。

 ▼予選・決勝日程 7月16日(月・祝)三島湖「ともえ」募集40人、8月25日(土)精進湖「湖畔荘」同30人。決勝・9月1日(土)西湖「樹海荘」