伊豆半島のメジナが動いてきた。昨年から開催している「伊豆半島磯メジナダービー」も残り半月ほどになってきた。潮温がなかなか下がらずにいろいろなエサ取りに邪魔されて、本命のアタリが遠のいていた。ところが、9~11日の3連休、各所で40センチ超が釣れまくった。岸際にメジナが寄ってきたようだ。今後もビッグヒットが期待できそう。さあ、勝負、これからが本番だ!

海水の温度のことを「潮温」と呼ぶ。海には流れがあって、海から岸に向かう「上げ潮」と陸地から海に逃げていく「下げ潮」があって、1日にだいたい2度ずつその流れが変わる。上げ潮が止まれば満潮になり、下げ潮が動かなくなったときが干潮となる。

この潮流をいかにとらえて、魚がどう動くかを推理するのが磯釣りのダイナミズムなのだ。

今冬は、潮温が下がらなかった。年末から年始にかけて伊豆半島でも20度前後で、メジナは釣れたものの、活性の良さは感じられなかった。

冬シーズンになれば、冷たい潮になり、イサキなどの夏魚は南の海域に避難するのが通例だった。今季はまだイサキが釣れる。それとクサフグが大量発生して、釣りを邪魔するだけではなく、ハリごと切られる現象が頻繁に起こっていた。

首都圏に雪が舞い降りた9日、伊豆半島の3地区では40センチ超のメジナが釣れた。現在、メジナダービー(3匹全長勝負)でトップを走る安富秋夫さん(46=座間市)が雲見で41センチを釣り上げ、3匹全長で1匹を入れ替え2センチ伸ばして127・5センチとした。

★雲見「佐市丸」鈴木佐利店主 海の状態は悪くない。あとは西風が吹かなければ申し分ない。

大瀬では貫太郎で40・4センチが釣れた。1月26日には川村芳則さん(60=裾野市)が42・1センチ(1・25キロ)をキャッチしていた。

★大瀬「倉の下」山本良一店主 今は難しいですよ。潮温は9日時点で17・9度。フグやイサキなどのエサ取りをかわして、岸際を攻めるか、コマセでエサ取りを寄せてから、潮の流れの中にハリスを落としていくか。ただ、16度台に落ち着けば、エサ取りがいなくなって本命勝負ができるはずですね。

同じく9日、石廊崎では三村重雄さん(52=世田谷区)が41・5センチ、41・2センチ、37・5センチの3匹をそろえて計120・2センチで初登場で6位に食い込んできた。三村さんは、船のコマセマダイから18年前に友人に誘われた磯メジナに魅せられ、転向した。

三村さん 朝のうちは30センチ後半ばかり。午前10時過ぎに41・2センチ、正午ごろ41・5センチ。白子が入ったオスだっかたら、これからノッコミで腹の膨れたメスも接岸してきますね。コマセワークは船のマダイにも共通する。船釣りの経験は生きてますね。

三村さんは、ダービー終盤の3月2日に予約を入れていて、心ひそかに逆転をもくろんでいる。

★石廊崎「橋本屋」山本一人店主 海が荒れて、これまで西側の磯はあまりできなかった。このエリアはエサ取りも少ないから、これからは活性の高い40センチ超を狙えますね。ここからが面白そうです。

石廊崎では10日に47センチ、大瀬は10日に43・5センチで11日は42・9センチ、雲見でも11日に44センチがキャッチされた。伊豆半島磯メジナダービー、最後の最後で大きなドラマが生まれるかもしれない。【寺沢卓】

▼宿 雲見「佐市丸」【電話】0558・45・0248。石廊崎「橋本屋」【電話】0558・65・0108。大瀬「倉の下」【電話】0558・65・0167。

▼伊豆半島磯メジナダービー 3月3日まで。35センチ以上のメジナ3匹の合計長寸勝負。初回に参加費1000円(参加賞はオリジナル保冷バッグ)。期間内なら何度でも挑戦でき、1匹から記録更新できる。

▼伊豆カップ 伊豆半島を舞台として年間を通したメジナ釣り大会で、春予選は3月3日(大瀬&石廊崎会場)、秋予選は11月3日(小下田)をそれぞれ60人を募集。参加費は7500円。5匹総重量で春秋大会各上位5人が決勝(12月1日・雲見)に進出できる。問い合わせは伊豆カップ事務局・小松和則さん【電話】090・7726・9717&090・2617・3470まで。