2019年ヘラブナシーズンがやってきた! 「道場」も5年目に突入し、新たに3期生が道場の門をたたいてきた。海釣りやブラックバスの経験のある男性2人で「以前からヘラ釣りには興味があった」「どうやっていいか分からなかった」と話していた。確かに「きっかけ」もなく「敷居」も高そうだ。桟橋で楽しめる埼玉・円良田(つぶらた)湖で挑戦してもらった。
千葉・勝浦の漁師の子どもとして生まれた岩野忍さん(43=中野区)は、幼いころから遊び場は船だった。漁船のミヨシ(船首)でリンゴにかぶりついている写真があるが、それが幼稚園児のころだそうだ。
海はアジからマグロまで釣りはやり尽くしていて、湖でもブラックバスに深く傾倒した。その岩野さんが「今までチャンスがなかった」と話すのがヘラブナだった。
芝浦「東京ハーバー・ボートライセンススクール」で校長代理を務める。ヘラブナ道場の大関実コーチが入校して授業を受けていたが、ひょんなことから釣りの話題で盛り上がり「じゃ、ヘラブナ、やっちゃいますか」ということになった。
釣り経験豊富とはいえ、ヘラ釣りは特殊だ。いきなりボートからでは高度すぎるため、桟橋で釣れる円良田湖を選んだ。
岩野さんと一緒にサオをだしたのはマグロ釣りの仲間の渡辺剛さん(34=板橋区)。父親がヘラ師で何度かヘラ釣りもしたことはあるが、もっぱらブラックバスばかりに目がいってしまった。「本格的にヘラ釣りするのは初めてですね」。
釣り場は、広々している梨ノ木桟橋にした。仕掛けは大関コーチの指導のもと、言われるままに結んだ。道糸1号、ハリス0・4号で上は10センチでアラシ7号、下は45センチで角マルチ3号だった。仕掛けは、こだわりの強さも出るものなので、また、別の機会に特集したい。
大関コーチ 今回は、細かいことは後回しにしていい。とにかくヘラ釣りはアタリをとるのが面白くて、かかったらスゴい。そこを知ってもらいたい。
さあ、いよいよ10尺のサオで実釣だ。
今回は「セット釣り」。上のハリに4種のエサを混ぜ合わせたバラケをつけて、下バリに「力玉大」を掛ける。
岩野さん バラケがコマセカゴで、食わせがオキアミをつけたハリ、ということだな。なるほど。
ウキの目盛りが湖面からジワジワと顔をだしてからが勝負だ。バラケがハリから抜け落ちて、力玉大を付けた食わせバリの周囲にバラケの煙幕が立ちこめている様子を想像してほしい。バラケを吸い込みながら、勢い余ったヘラが力玉大に食いついて、ウキが、シュッ、と鋭く沈む。この瞬間をヘラ師はかたずをのんで見守り、待って、待って、待って、サオを振り上げて合わせる。
岩野さんと渡辺さんが大関コーチを挟んで座った。サオはがまかつの10尺。岩野さんが「千早(ちはや)」、渡辺さんは「結月(ゆづき)」。エサ投入から約30分。大関コーチのウキが動いた。ヒュルン! 道糸が空気を裂いて「糸鳴り」した。サオが弓なりになり、ヒレのきれいなヘラがタモ網におさまった。
「うわっ、本当に釣れる。しかも、ヘラ、美しい。すごいなぁ」と岩野さんが目をみはった。
仕掛けの振り込みは2人ともできていたが、バラケエサが着水前にぽとりとハリから離れて落ちる。
大関コーチ バラケはもともと粉なので、落ちやすい。練って固めて、ハリの結び目付近を指でツブして固定させる。これね、ちゃんとできれば、簡単には落ちない。
20分ほどして岩野さんのサオが曲がった。
岩野さん ああ、サオが曲がる。こんなに耐えられるんですね。リールがない。ドラグは自分の腕なんですね。わわわ、引く、引く。サオを立てないとダメなのか。
などと絶叫しながらなんとか引き寄せた。32センチ。直後、渡辺さんもサオがキューン。36センチをキャッチした。「ダイレクトに魚と戦うと、こんなに力強いんだ」と岩野さん。そして、渡辺さんは「面白い。これはハマるやつですね」と笑顔をみせた。
ヘラを釣るには、まだまだ必要事項がいっぱいある。
大関コーチ まずは、釣れた感触を味わっていただく。今日はこれでいい。
結局、岩野さんは11匹、渡辺さんは8匹。3期生2人のヘラ釣りが幕を上げた。【寺沢卓】
▼宿 円良田湖「管理事務所」【電話】048・581・8511。釣り桟橋は常管、旅館前、梅林、梨ノ木で3月31日までは午前6時、4月1日~8月31日は同5時から受け付け開始。1日2100円、午前11時以降の半日は1100円、女性&高校生までは800円。ボートは放流バッチがあると2600円、なければ2800円。オカ釣りはバッチありは600円、なし800円、現場売り1500円。
▼カツ丼 最寄りの東武東上線寄居駅の駅前通り「今井屋」=【電話】048・581・0464=のソースカツ丼がおいしい。ボリューム満点で850円。電話一本で予約できるので、誰か受け取りに行ける担当を決めてくださいね。
★エサ 上バリに付けるバラケは「とろスイミー:粒戦」を「1:2」に水4を注いでひたしてしばらく放置する。十分に水を吸い込んだら、「セットアップ」「セットガン」をそれぞれ4ずつ入れて練らずに均等に混ぜてしっとりしたボソ感を残す。食わせはエサ残りのいい「力玉大」。さらに集魚効果をあげるためサナギ粉をまぶす。

