紀東・梶賀の磯がアツい! 大黒方面(5月1日~9月30日まで解禁)の半夜、通し釣りで良型グレがコンスタントに上がっている。先日、「勝三屋」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の船で大黒の地に渡礁し、沖の本流を攻めると大型の尾長らしきバラシが2発もあり、強烈なファイトに興奮した。

大黒は切り立った磯場が多く、離島の雰囲気が漂うダイナミックな釣り場だ。足元から水深があり、黒潮の影響を受け、潮通しが良く海底のシモリ根も複雑なことから良、大型グレの好ポイントになっている。定置網には60センチ級の尾長グレが掛かることもあり、グレ師の闘争心をかきたてる。

シモリが複雑なため、大物を仕留めるにはラインを出さずに強引に引き寄せるのが鉄則だ。この日は3号のラインで挑戦。餌はボイルオキアミ。沖の潮筋に絶え間なくまき餌を打ち込み、1ヒロ半のタナで流すと40メートルほど沖でウキが引ったくられるように海中へ。合わせと同時にグーングーンとロッドを絞り込む。数分間、力まかせに引き寄せるが、沖でのやりとりは難しく無念のバラシ。シモリから引き離せない。

次はタナを1ヒロにして流すと、しばらくして再び大物がヒット。今度はラインがバチバチバチと出ていき、ロッドを起こすがあっという間に道糸から飛ばされた。2匹とも、尾長のようで、かなりの手応えだった。中村公一船長によると「ロクマルクラスの尾長やと思いますよ。PEラインの1~1・5号で狙っている人もいます」という。

その後は潮が緩んでしまい、大物の気配もなくなり、意気消沈。台風が通りすぎたような脱力感だった。結局、この日はサラシの切れ目で食わせた42センチの口太と35センチの尾長に30センチイサギ、35センチメイチダイを釣っただけ。逃した獲物の引きは強烈で、40センチ級とは桁違い。物足りなさが残る釣行だったが、改めて梶賀の磯にはロマンがあるなと感じた。

勝三屋渡船では99年5月に神須の鼻で61センチ(3キロ)の尾長が上がっている。今季の大黒は例年よりもグレの魚影が濃く、9月末まで良、大型が釣れ続きそう。夢のロクマルにも期待が膨らむ。

【日刊FPC・兵頭良弘】

問い合わせは勝三屋渡船【電話】0597・27・2182。釣り時間と渡船料金は、朝釣りが日の出~午後1時まで=5000円、通し釣りは日の出~午後6時まで=8000円、半夜は正午~午後6時まで=5500円。他にも榎本渡船(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】同・27・2211がある。