東伊豆の大きなイサキ、釣りませんか? 8日、熱海「喜久丸」(松本早人船長)を本部にして伊東「妙法丸」(太田勝久船長)との東伊豆イサキ大会(3匹重量審査)が開催された。優勝は妙法丸に乗船した宇尾野政徳さん(70=茅ケ崎市)で1250グラムを記録した。

釣りを始めて40年。「うおのです」と自己紹介すると「釣り人、っぽい名前ですね」と必ず言われる。全国でも約260人しかいない珍名だ。

住んでいる茅ケ崎市は砂浜が近く、シロギスの投げ釣りから堤防、磯へ。磯で魚が釣れなくなったこともあって、25年前に船に乗った。相模湾が中心だったが、仲間の紹介で妙法丸に乗り、ヒラメとイサキの釣り味のとりこになって伊東に通うようになった。

定年退職後は、台所が居場所になり「掃除と洗濯はしないけど、家では料理だけの主夫です。カミさんも『あなたの料理はおいしいわ』とうまいこと乗せてくれます」と話す。

大会では1、2投目で大型が連発して、その後もアタリは止まらず、19匹を釣り上げた。タナ付近でサオをゆっくり持ち上げて、最もサオ先が高くなったら「1~2秒止めて、食わせるスキをつくる」という誘いが的中した。2年前の大会覇者でもあるアニキこと俳優哀川翔が表彰式でその話を聞いて、サオを振り上げるしぐさをして首を縦に振っていた。

優勝賞品は、がまかつのサオなど「抱えきれなかった。哀川さんからはネックレスをいただきましたが、孫につけさせます」と宇尾野さんは照れ笑い。優勝魚は、ムニエルにしてマスタードとレモンのソースでおいしくいただいた。

準V野口博志さん(63=横浜市)は「船上でバッグを開いたら、つくった仕掛けを忘れたことに気づき、隣の先輩に借りました。釣れました。勉強になりました」と笑いを誘い、3位の大橋詠二さん(44=横浜市)は「大会に出てトロフィーをもらったのは初体験」と緊張していた。

最多は26匹の松井克憲さん(48=藤沢市)だった。妙法丸に乗った鈴木幸夫さん(66=八王子市)は2134グラムのマダイも釣り上げた。東伊豆、これから大きなイサキで盛り上がりそうだ。【寺沢卓】

▼賞 優勝した宇尾野さんには、クリスタルトロフィーと賞状が授与され、副賞として、がまかつ提供の高級ザオ「がま船 真鯛ハイパースペック 2・4M」(3万6000円相当)とカニ缶、米5キロ、アニキが初めてカジキマグロを釣ったときのハリのレプリカのネックレス、7位の柏村さんから提供の高級シャンプーセットなどが贈られた。2キロ超のマダイを釣った鈴木さんにはアニキの特製Tシャツやトートバッグが、参加した全員に副賞と日刊スポーツロゴ入り「恵比寿さまの大漁袋」が贈呈された。