アジ、って、ものすごく釣れちゃうことがあるんです。そんな時は釣ったアジを船上で干物にしちゃいましょう。潮風と、晴れていれば太陽の光できれいに乾きますよ。下船するときには、もう食べられる状態なので、帰ってからのさばきいらずで生ゴミも出ない。釣ったばかりのアジの干物づくりを伝授します。

魚をさばくときは出刃…そんなことないですよ。使いやすい包丁やナイフにしてください。タコボウズ記者(寺沢です)も釣具店で安く購入したナイフでやってみました。

さあ、今回のミッションです。東京湾で釣れるアジ、おいしいですね。ついつい、釣りが面白くて、気付いたら足元のバケツで腹を出して浮かんでいた。

そんな経験はありませんか?

どうせ食べるのならおいしく干物にしていただきましょう。

3週連続で山下橋「広島屋」からのリポートになります。今回は石井晃船長のご了解をいただいて「干物マンション」(魚などを干す3層構造になっている網、魚がいっぱい入るとマンションのようになる)を船上でつるして、釣ったアジを次々に干してみました。

※船上で干物を作れるかどうか、必ず乗船する船宿に了解を取ってください。

まず、乗船前の準備としては、大きめのタッパに塩を入れて水道水で溶かして、海水より濃いめの濃度で塩水を作ってください。干物にするアジを漬け込んで塩味を入れるものです。

「じゃあ、沖の海水でいいじゃん」

そう思うかもしれませんが、海水は雑菌も含まれているため、さばいたアジを洗うのに使いますが、漬け込むにはフレッシュな塩水を使います。あとはコンビニでロックアイスを購入しておいてください。塩水が温まってしまうので、冷却用として、また魚を冷やす目的で使います。あとはまな板と魚を切る包丁。それで終了です。

アジが釣れたら、すぐにのどの部分にハサミを入れて血を抜いてください。泳ぐアジをつかまえる時間がもったいないので、足元のバケツに入れることなく、すぐ切ってください。意外に血が大量に出ます。ちょっとビックリするかもしれません。血が抜けたらクーラーボックスに入れて冷やしてください。

アジがある程度冷えたら、さばきます。血が抜けた直後ではまだ軟らかいので、さばきにくいんですね。

ウロコを落としてゼイゴを除去します。ヒレの付け根にウロコが残りがちなので注意してくださいね。

頭は食べないから落とします。この後の作業も楽になります。腹側ではなく、背側から包丁を入れます。頭側から刃先を入れて中骨をとらえたら、そのまま中骨にそってスライドさせていく。今のアジ、刃を入れると、そこに脂がにじんでくる。うまそうだ。

開いたら内臓を指で除去して、バケツでしっかり洗ってください。おなかの内側に黒い膜があるので指でこするときれいになります。その開いたアジを塩水の入ったタッパに入れて20~30分。漬けたら干物マンションにGO! 皮目から太陽に向けてください。

潮風にさらされ、日光を受けて…ちりちり。帰港するころには立派な干物になっています。アジの頭や内臓は海に戻せば魚のエサになる。帰るときにはクーラーボックスには干物だけ。さあ、後は焼いて食べるだけですよ。

【寺沢卓】

▼山下橋「広島屋」【電話】090・8874・4624。