中紀・日ノ岬沖で脂の乗ったジャンボイサギが釣れ続いている。40センチ級を狙おうと22日、和歌山・日高町の阿尾港から出る「共栄丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で同沖に出た。風も波もなく絶好の釣り日和。イサギの活性も高く、後半は40センチ級が連発。ベテランたちが刺し餌の工夫や、オモリを調節しながら食いを誘い、正午すぎまでに竿頭は26~42センチを40匹釣り上げた。寒イサギは今が大型狙いの絶好機。ぜひこの機会に釣りに出かけてみてはいかがですか。

体高のあるジャンボイサギが次々と竿を絞り込んだ。夜明け前、水深約38メートルのポイントに入った。上り潮が速く流れる中、左舷に入り「底を取ったら5~12メートル上を釣って」との脇山船頭の指示を受け、まき餌を同ダナに効かせていく。

1時間ほどしてまき餌が効きだすと、この時期、週1ペースで共栄丸に通っているという左舷の山本育男さん(有田市)が「潮が速いときは、イサギは浮いてこないので、底付近を狙うのがセオリーです」と、オキアミの刺し餌を下針につけ、鉄仮面にもオモリを追加して仕掛けを安定させる。そして底上5メートルまでを集中的に探り、狙いどおり38センチを頭に次々と良型を釣っていく。さすが場数を踏んでいるだけに状況判断も早い。

潮が緩んでくると、船首の平川清さん(大阪市)の竿にもカンカンとくるアタリ。上がってきたのは茶色の魚体で体高のある39センチ。「イサギ釣りは初めてですが見事な魚体ですね。ほれぼれします。ここまで来たかいがありました」と大喜び。船中でも30センチ級を中心に26~36センチが次々と抜き上げられていくが、2時間ほどで潮止まりを迎え、食いも止まったので移動する。

そして、午前10時すぎ、40センチ級が狙える水深40メートルのポイントに入った。指示ダナは前半と同じだ。すると、手返しとタナ取りを心得たベテランが、大型を狙って猛チャージをかけた。

船尾の辻俊幸さん(吹田市)は「餌を付けるのに時間がかからないから、手返しも早くなるんだよ」と、オキアミの頭としっぽを切り落とした、1センチほどの刺し餌を手早く3本針に次々と付けて、指示ダナよりほんの少し上層を狙う。するとゴンゴンと竿が絞り込まれ、ぷりぷりの40センチ、41センチを連続でネットイン。「夏の抱卵イサギもいいが、寒の方が脂が乗っておいしくて好きなんだ」と満足顔。

その隣では、前半から快調に竿を曲げている山本さんも40センチ、42センチを釣り上げ「これが釣りたくてここに通ってるんです。こんなでかいのが釣れるのは日ノ岬だけですからね」と、こちらも満面の笑みを見せる。

これを見て、負けじと辻さんも42センチをゲットするなど、2人の熱いバトルに当てられながら、他の釣り人もラストスパート。40センチまでの良型を次々と追加し、正午すぎに大満足で納竿となった。竿頭は山本さんで26~42センチを40匹だった。常連お勧めの寒イサギ、今なら数釣りも楽しめますよ。【中村和嗣】

【今後の見通し】寒イサギは例年になく数が釣れている。これから水温が低下すると活性が低くなり、数は減ってくるが、型は脂の乗った40センチ級が狙える。また、食いが渋いときや、型を狙うにはオキアミの刺し餌を下針に付けると有効。ばらし防止のためマイネットも用意した方がいい。

【問い合わせ】共栄丸【電話】0738・64・2318。乗合船料金は1万2000円(餌、氷、仕掛け1つ付き)。出船時間は要確認。貸し竿は電動リール、竿受け付きが2000円、手巻き用1000円。

【交通】阪和自動車道の御坊ICを出て右折。野口新橋を渡り、県道26号を走って財部の信号を右折し国道42号を北へ。JR紀勢本線の紀伊内原駅前の信号を左折。県道189号、同24号を走り、阿尾港へ。