3月11日にスタートした2023年Tokyo-bayおよび駿河湾のマダイダービーが終了し、Tokyo-bayは富永起好さん(51)、駿河湾は田畑正人さん(77)が、ともに初優勝を飾った。駿河湾は5月14日、Tokyo-bayは同28日までの開催。ルールは3匹の合計重量で争われ、期間中の入れ替えは何度でも可。同重量の場合は1匹の最大重量が重い方優先、それも同じ場合は年長者優先だが、Tokyo-bayは同ルールの前者適用での優勝となった。

<駿河湾>

駿河湾マダイダービーは、田畑正人さんが初優勝を飾った。「魚磯丸には30年ほど通っていて、ダービーも初期から参加しているけど、優勝は初めて。棚からボタ餅みたいなものです」と笑った。「自分的に大物を釣って納得のいく釣果なら『チャンピオン』と呼ばれるのもいいですけど、そうではないので気恥ずかしいです。以前入賞経験はあるけど、この年になると『優勝したい』という目標もなくなって、今は楽しめればいいなと思っていましたから」と、ある意味達観していた。

4月20日に3・2&2・88キロを釣り上げ、同27日には3・64キロを追加。合計重量を9・72キロとすると、その後1度も首位を譲ることなく、栄冠を手にした。

今年の駿河湾は、例年に比べると大物の出現率が低かった。「魚磯丸に限らず他の船宿でも大きいのが出ていなかったし、数も出ていなかった」という。また、「探検丸で見ても大きいのはいるけど、なぜか口を使わない感じでした。1匹くらい釣れてもいいのにと思うほどでした。今年のダービーは大物も出ないし、(上位が)年寄りばかりで、何もかもおかしい年でした」と自嘲気味に笑った。

なぜ、大物が出なかったのだろうか? 田畑さんは「今年のノッコミ時期は南伊豆が良かったと聞いていますが、西浦沖は居付きのタイが多く、警戒心が強くなっていたのかもしれません」と分析する。また、「コマセカゴを嫌うので、みんなハリスが15メートルとか、中には18メートルにしている人もいました」とし、「今までは落とし込みで誘っていましたが、それだとサバばかりでした。誘わずに置きザオの方が釣れた印象ですが、それも日によって変わっていたので、たまたまそれが当たっただけです」と振り返った。

だが、ダービーが終わると数が出始めた。「ダービーが終わった5月31日に乗ったら6匹釣れました。みんなから『さすがチャンピオン』と言われたけど、やっぱり気恥ずかしいですね」と笑った。

例年は大ダイ祭りとなる駿河湾だが、今年は松本茂夫さんの5・24キロが最大となった。その分、上位陣も僅差で、2位高橋長生さん(72)とはわずか400グラム、3位土岐明さん(39)とは600グラムだった。3~4キロをそろえた方が上位に食い込む例年とは趣が変わるダービーとなった。なお、参加者は総勢64人だった。