「がまかつスタッフと行く東京湾タイラバツアー」がこのほど、神奈川・野島「村本海事」(関口真一船主=62)で行われた。釣り具メーカー「がまかつ」の担当者、松島彰吾さん(54)が開発したタイラバロッド「ラグゼ桜幻(おうげん)」シリーズで、釣り人が実際にマダイを狙う初めての企画だ。釣り具量販店「キャスティング」の会員を対象に、タイラバ初心者も含めて定員いっぱいの12人が参加。松島さんからロッドの特徴を教えてもらってレンタルし、新製品の感触を楽しみながら、一緒に実釣した。
■「合わせない」
ゴールデンタイムはいきなりやってきた。午前9時過ぎ、軟調のロッドがグググッと絞り込まれてしなる。マダイ独特の三段引きを見せる。横須賀沖の水深30メートル前後から、少し深めの50メートル前後に移動した直後だった。冷たい雨が一瞬だけ止んだ。潮が効き始めたのか、食いが立った。
船中第1号となった右舷ミヨシ(前方)から4番目の柳沢徹也さん(62)はアタリの瞬間、慌てて合わせようとした。タイラバ初挑戦だから無理もない。コマセマダイを4~5年やっている時のクセがついつい出る。「合わせない。そのまま止めないで巻いてください」。キャスティングのインストラクター市川雄太さん(41)からアドバイスを受け、600グラム程度の尾頭付きを取り込んだ。
続けて左舷トモ(最後方)から3人目の天土貴人さん(34)が、同サイズを取り込んだ。こちらはタイラバを2年ほど前から始めている。最初は少し硬めのロッドを使っていた。より明確なアタリが出て確実に取り込めるようにと、軟調に変えた。「ロッドの弾力、針がかりしてからの粘りと、針の食い込みの良さのバランスが良かった。買ってみようかな」と興味を示した。
クライマックスは左舷ミヨシから3番目、タイラバ初挑戦の桜井一紀さんだった。前の2人とは明らかに違うロッドのしなりを見せている。いつも楽しむアジのLT(ライトタックル)やバーチカルコントロール(バチコン)でやりとりは手慣れているのか、順調にタモ入れされた。「着底したら4~5回巻いていて、ガンガンと大きなアタリが伝わってきた。松島さんに言われた通りの釣り方で食わせることができた。軟調のロッドでアタリが取りやすく、海中でのやりとりもしやすかった」と笑顔を見せていた。
■エサ必要なし
東京湾のタイラバ、80グラムとか100グラムのシンカーとフック(針)、ネクタイを組み合わせてマダイを釣る。海中にシンカーを落とし込み、着底させたら糸フケを取り、底から2~5メートルといったように船長の指示する高さまで巻き上げ、アタリがなければ繰り返す。違うのは、アタリが出た後だ。合わせない。ビシッと合わせてサオをしならせてやりとりするコマセ釣り、ひとつテンヤやジギング、ビシマの手釣りと大きく違う。タイラバは獲物が反転する重みを利用し、針がかりさせる。そのままリールを一定のペースで巻いてやりとりし、巻き上げる。コマセ釣りで使う6メートルから場所により10メートル以上の長いハリスや、エサを使う必要がない。かつての「重厚長大」型から、「軽薄短小」となった釣りがさらにお手軽となった典型でもある。
兵庫県西脇市に本社があるがまかつでは、関東で釣り関係者を集めたロッドなどの実釣会の開催はあるというが、一般の釣り人を対象にしたツアーは今回、関東初。今後、このようなツアーを企画、催行していきたいとしている。最新モデルの釣り具が使えて、楽しく釣りができる。これなら大歓迎だ。
使いやすさと追従性求める
今回の釣行でがまかつの松島彰吾さんが開発したタイラバロッドの「ラグゼ桜幻」シリーズは、感度や軟らかさといった扱いやすさと、針がかりした後にバラシにくいという追従性の両方を求められる設定としている。「鯛ラバーS」は基本性能を重視し、扱いやすさを追求した。「鯛ラバーXX」は強度を確保しつつ、細身軽量化を実現をさせた。荷重の変化を察知する能力に加え、反響感度にも優れ、よりしなやかで、よりシャープかつ軽快にタイラバを楽しめる仕様となっている。松島さんは自作のタイラバも披露してくれた。シンカーから4センチ以内の針先として、よりバラシにくい構造にしている。
ネクタイの有効な色は状況により刻々と変化するが、「乗っ込み時は赤、オレンジ、黒が基本」と言う。ある学術機関の研究を引き合いに出し、「乗っ込みの時季は婚姻色の関係で、オスがメスに興味を示す場合は魚体の色から赤やオレンジが有効。ライバルのオスにかみついて威嚇する時は魚体が黒いため、黒もいい」と語っていた。
防寒対策忘れずに
▼船 野島「村本海事」【電話】045・781・8736。タイラバ午前7時15分出船、沖上がり午後3時15分。LTアジは出船同じで、沖上がり午後2時15分。
▼料金 タイラバの両舷流しは1万1000円、潮が小さい時のドテラ流しは1万3000円(いずれも氷付き)。LTアジは7500円(コマセ・氷・仕掛け1枚付き)。
▼タックル 道糸(ライン)PE0・8号。PE1号の場合、船長に申告すること。シンカー80~100号。リーダーはベイトリール使用の場合、4号メインで長さは原則1・5メートル。スピニングリールでチョイ投げして誘う場合は長さ2メートル。
▼防寒・強風 たまに日中でも気温10度前後の場合があるので、天気予報でチェックして防寒用のカッパや使い捨てカイロなどを用意しておく。北風と上げ潮で雨といった気象条件になると、大きくうねる場合がある。ぬれてもいいよう、帽子や首筋に巻くタオルは必需品。
※金沢八景「太田屋」、新安浦「長谷川丸」でもタイラバはスポットで出している。詳細は要確認。










