千葉・内房は保田「村井丸」(村井智博船長)で狙う「落とし込み釣り」が面白い。サビキ仕掛けでアジを釣り、それを海中に漂わせて青物を狙う。今月に入って、4キロ台のワラサから8キロ台のブリが上がっている。今は深場狙いだが、これから先は浅場でイナダやカンパチも掛かりそう。針がかりした後の大物とのファイトは面白い。ドッカンと一発、特大ホームランを狙ってみよう。

保田「村井丸」の落とし込み釣りでは大物との豪快なファイトが楽しめる
保田「村井丸」の落とし込み釣りでは大物との豪快なファイトが楽しめる

サオ先が微妙な揺れ方で横走りする。エサで落とし込まれたアジが海中で明らかに獲物に追われておびえ、恐れおののき、逃げ惑う光景が見てとれる。穂先が海面に突き刺さり、押さえ込まれたら、完全に食っている。大きくアオって軟調胴調子のサオがしなれば、ファイトの始まりだ。

保田沖では例年この時季から青物釣りが開始される。村井丸では今月に入って8日に7・5キロを筆頭に6、6、4・5キロのワラサが上がった。10日は6・8キロ、12日7キロと5キロなど、まさに当たればホームランの状態となっている。中には6・8キロのヒラメ(同6日)、2キロ級のヒラスズキ(12日)、同重量のマトウダイ(同18日)が、アジを丸のみして上がってくる。マトウダイは見た目こそグロテスクだが、フランス料理の白身魚のソテーに使われるような高級魚でもある。

保田沖の落とし込みで釣れているワラサ
保田沖の落とし込みで釣れているワラサ
ヒラメも上がった保田「村井丸」の落とし込み釣り
ヒラメも上がった保田「村井丸」の落とし込み釣り

まずはエサとなるアジを調達する。サビキ4本針、ハリスは少し太めの12~14号、針は食わせ8号、イサキ11号など。「ハリスが細いと切られますので、太い仕掛けの方がいい」(村井船長)。コマセカゴはFLサイズまで。オモリは基本60号。ポイントが深かったり、潮流れが速い場合に備えて80号も用意する。

「水深90メートルで底から5メートル上までアジの反応があります」などと、船長から指示がある。アジを食わせたら、少し仕掛けを落として反応を待つ。

釣り人の中にはアジを確保した後、ヒラメ釣りで使うイワシの泳がせ仕掛けを用意してくる人もいる。三つまたサルカンを使って上に道糸を結び、下にスナップつきのヨリモドシなどでオモリをつけ、横からハリス(長さは2メートルもあれば十分)を結ぶ。エサ持ちをよくするため、アユの友釣りのオトリアユと同じくアジは鼻掛けにしてアタリを待つ。

小魚を捕食する習性を利用して狙うこのタイプの釣りは、全国各地で似たような形でやっている。ルアーの青物狙いはその発展系だ。宮城県の南三陸や塩釜、松島地域などでは「ドッカン釣り」とも呼ばれている。アジなどの生きエサに青物が食って針がかりした時の様子を「ドッカン」と擬音化して表現している。まさに、ドッカンとでっかい獲物が掛かって釣れれば楽しい。

村井丸では現在、水深90~100メートルの深場を攻めている。アジも30センチ前後の大型が多い。秋が深まれば、小アジを追ってイナダやカンパチが群れとなって浅場に突っ込んでくる。「深場だとワラサが主体になりますが、1~2キロ級のイナダやカンパチが主体になれば数も釣れるし、水深も浅くなるので、経験の浅い人でも楽しめます」(村井船長)。例年10月いっぱいは楽しめるが、潮次第では年内までロングランになる可能性もあるという。

◆マトウダイ マトウダイ科。体長30~50センチ。水深70~360メートルの砂底などで魚類、イカ類を捕食して生息する。頭部背縁は緩く突出しており、体側の中央に白い縁取りで大きな黒斑があるのが特徴。この黒い斑点が弓矢の的に似ていることから、この魚名になったとされている。また、馬の顔に似ているため「馬頭」という漢字を当てる地域もある。西洋料理のムニエルの定番。国内でも肝やアラなどがうまいため、鍋の具材としても人気がある。

エサのアジを丸のみしていたマトウダイ
エサのアジを丸のみしていたマトウダイ

▼船 保田「村井丸」【電話】0470・55・1121。落とし込み釣りのほか、アジ五目、LT(ライトタックル)アジで出船中。いずれも集合は午前4時30分。氷・コマセ付き9500円。料金や集合時間などは変わる場合があるので、釣り宿のサイトや電話で確認してください。


その他の泳がせ釣り 静岡・久料「魚磯丸」

静岡・沼津の久料「魚磯丸」でもアジの生きエサの「泳がせ五目」を出している。駿河湾で夏の終わりから秋にかけて狙う、恒例の釣り物だ。

こちらもアジを20匹ほど釣ったらバケツで生かしておく。泳がせて大物を狙う。岩礁地帯も砂泥地もあるため、イナダやワラサ、カンパチなどの青物をはじめ、ヒラメやハタ類、カサゴ類、ニベなどが船中をにぎわせてくれる。

「特に朝方、食いがいい。これからは青物の群れが回ってくる。だんだん良くなりますよ」。久保田清船長も期待している。

魚に似せたルアーで狙うカツオは茨城・鹿島「第三幸栄丸」、サワラは千葉市の千葉寒川「小峯丸」で出ている。いずれも豪快なファイトが楽しめるだけではなく、食べてもおいしい。

久料「魚磯丸」の泳がせ五目で釣れたオオモンハタ
久料「魚磯丸」の泳がせ五目で釣れたオオモンハタ
久料「魚磯丸」の泳がせ五目で釣れたカンパチ
久料「魚磯丸」の泳がせ五目で釣れたカンパチ

協力店
協力店