★がん検診で意味のあるものは3つだけ?
アメリカでは健康診断のコストパフォーマンスを大事にしています。がん検診も意味のあるものは3つだけと言われています。
乳がん検診と子宮がん検診、大腸がん検診です。
大腸がん検診は、便潜血反応で行われます。検便は昔からある検査で、一見、非科学的に思えるかもしれませんが、この便潜血反応が大腸がんの早期発見に役に立ち、検診に使ったお金に比べて、死亡率を下げることが科学的に証明されています。
がん検診はいろいろありますが、有効なのはこの3つだけというのがアメリカの考え方です。その代わり、この3つの受診率は日本と違ってとても高いです。
★余命10年以内の人に検診はいるか?
予測される余命が10年以内の人ががん検診を受けるのはほぼ無意味とアメリカでは考えられています。
なんだかシビアだなと思うかもしれませんが、高齢者のQOL(生活の質)という観点から見ると間違っていないと思います。
★命のリテラシー
アメリカの医学界では、認知症の高齢者に胃ろうをしないとしています。少し乱暴な考えです。権力を持った者がこれを決めたら危険。あくまでも決めるのは自分。元気なうちに自分は胃ろうはいらないと決めるなら問題はありません。
日本には約26万人の胃ろう患者さんがいます。
本来ならば、本人の自己決定が大切であり、きちんと文書で意思を示していることが大切なのですが、あいまいな空気の中で胃ろうが選択されてきたようです。
無駄な検査や治療は避けて、できるだけ自分らしく生ききるには、国民1人1人が医療について学び、自己決定できるようにすることが大切です。