うつ病を医学的にはどう捉えられているのか。「精神疾患の治療・統計マニュアル(DSM-5)」では、うつ病の診断基準には主となる症状と他の症状を合わせて診断することが推奨されている。「主となる症状」の1つ目は「気分の落ち込みが続いている」。つまり、憂鬱(ゆううつ)で気分が落ち込み、何をしても気持ちが晴れない、今までになく寂しい気持ちがする、絶望的だといった症状である。2つ目は「何事にも興味が持てず、楽しいはずのことが楽しめない」。たとえばかつて自分が好きだったことに興味がなくなったり、楽しめなくなった、あるいは、好きな物がおいしいと思えない、といった症状である。このどちらかに「その他の症状」が加わる。「よく眠れない」、「食欲がない(または食べ過ぎる)」、「疲れやすい、気力がない」、「思考力や集中力が落ちた」、「動作や話し方がゆっくりになった」、「なんでも自分のせいにしてしまう」、「生きていても仕方がないと思う」の7つがそれで、うち5つ以上に該当していること。そして症状が2週間以上続いていれば赤信号というわけだ。
2004年の厚生労働省による「うつ対応マニュアル」では、うつ病を疑うサイン(自分が気づく変化)として「悲しい、憂鬱な気分、沈んだ気分」「何事にも興味がわかず、楽しくない」「疲れやすく、元気がない(だるい)」「気力、意欲、集中力の低下を自覚する(おっくう、何もする気がしない)」「寝つきが悪くて、朝早く目がさめる」「食欲がなくなる」「人に会いたくなくなる」「夕方より朝方の方が気分、体調が悪い」「心配事が頭から離れず、考えが堂々めぐりする」「失敗や悲しみ、失望から立ち直れない」「自分を責め、自分は価値がないと感じる」といった症状を挙げている。
一方で、「周囲が気づく変化」には「以前と比べて表情が暗く、元気がない」「体調不良の訴え(身体の痛みやけんたい感)が多くなる」「仕事や家事の能率が低下、ミスが増える」「周囲との交流を避けるようになる」「遅刻、早退、欠勤(欠席)が増加する」「趣味やスポーツ、外出をしなくなる」「飲酒量が増える」などに注意するとある。あなた(周囲)は大丈夫か。

