医師で作家の鎌田實氏の新連載「ピンピンひらり最新健康法」を展開中です。
71歳の鎌田氏が、長寿時代の今、ピンピン健康に生きて、痛みや苦しみとは無縁で、ひらりとあの世に行きたいという自身の願望を込めて執筆。
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◆レビー小体型認知症
パンデミックで認知症が増えつつあります。今回は変わった認知症の話をしましょう。
2017年、ジョン・レノンの妻オノ・ヨーコさんが自宅で倒れ、救急搬送されたというニュースが流れ、その後、幻覚型認知症ではないかと報道されました。
幻覚型認知症とは、レビー小体型認知症の別名です。幻覚が多く、しかも自律神経の障害が起きやすく、転倒したり意識がなくなったりすることが多い。アルツハイマー型の認知症に次いで多いといわれています。
◆見過ごされやすい
「グッドウィル・ハンティング」で、アカデミー助演男優賞を受賞した名優ロビン・ウィリアムズ。「パッチアダムス」や「レナードの朝」など、たくさんの素晴らしい映画で主演をしました。彼はパーキンソン病とうつ病で亡くなったとされていますが、このレビー小体型認知症だったのではないかという人もいます。
◆薬の副作用
薬に弱いのです。診断がつかずうつ病と誤診され、抗精神薬が使われてしまうと、状態が悪化してしまうことが多い。
昨年、鎌田主催の「がんばらない介護生活を考える会」のイベントに、ゲストとして出演してくれた樋口直美さん。41歳の時、うつ病と誤診され、薬の副作用で6年間苦しみ続けました。虫が見えたりする幻覚があります。
◆本を書ける認知症
アルツハイマー型のように、物忘れの症状はあまり目立ちません。お話をしていても全く認知機能に障害があるように思えません。4年前にお会いした時のことを、ぼく以上に正確に覚えていました。「私の脳で起こったこと」という本も書いています。さらに最近「誤作動する脳」を出版されました。名著です。
パーキンソン病やうつ病で治療中の方の中に、もしかしたらレビー小体型認知症の方がいるかもしれません。