今回と次回の最終回では、「前立腺肥大症の予防と再発予防」をしっかり知っていただきたいと思います。前立腺肥大症の予防は、再発予防にもなるのです。前立腺肥大症を診察している私たちが患者さんにお勧めするのは、排尿のことだけではなく、日々の生活、食事、運動、睡眠など、規則正しい生活をしてもらうことです。
それは、前立腺肥大症のリスクファクターとしては、生活習慣病があるからです。高血圧の場合、これは血管を老化させる病気です。血管がダメージを受けてくると、ぼうこうへ流れる血流が悪くなります。すると、ぼうこう機能が低下したり、前立腺に行く血管自体が萎縮したりすることで血流が悪くなり、前立腺の働きが悪くなるのです。
糖尿病の場合は前立腺肥大症のリスクが高いわけではありませんが、症状が強く出やすいことがあげられます。それはなぜなのか-。糖尿病はいろいろ合併症を起こします。
その1つとして「糖尿病神経障害」があります。これは足などの末梢(まっしょう)神経が障害される病気。末梢神経が障害されることでぼうこうの機能が低下してしまうので、最初はぼうこうが敏感になり、最終的にはぼうこうを収縮させる力が弱くなります。
加えて、前立腺肥大症があると余計に尿が出にくくなる、といった症状が出やすくなるのです。だから、糖尿病の人は血糖のコントロール、高血圧の人は血圧のコントロールといった具合に、きちっとコントロールをして生活するようにお話をしています。
また、肥満の人も、前立腺肥大症の症状が出やすくなります。肥満が前立腺肥大症に直接結びつくのではありませんが、症状の悪化を起こしやすくするのは間違いありません。だから、肥満改善のために生活習慣病の対応をしっかり実践してください。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

