「心臓ロボット手術(心臓ロボット支援下手術)は難しい」とあって、行う外科医がなかなか増えません。しかし、この手術は「患者さんの身体にやさしい手術」。それを思うと、1人でも外科医が増えてほしいと思います。では、どうすると心臓ロボット手術を行う外科医が増えるのでしょう。

私たちはゼロから歩みました。だから、200例の手術を経験しないと一人前として認めてもらえませんでした。今は、心臓ロボット手術を行っている病院で指導を的確に受けると、200例ではなく、もう少し少なくてもよいかもしれません。

ただ、指導を受ける心臓外科医がどんどん出てくるかというと、なかなか難しい。それは、心臓外科医が少ないということがあります。心臓外科のある病院でも、心臓外科医は3人程度しかいないのが現状です。そこから心臓ロボット手術の指導を受けるために1人を出すと、これまでの心臓外科手術が回らなくなってしまいます。

ただし、「患者さんの身体に優しいロボット手術」とあって、手術を受ける患者さんは、心臓ロボット手術の存在をきちっと認知されると、患者さんの全員が確実に選択します。そのような時代を迎えているのです。

だから、心臓外科医が少ない中でも、心臓ロボット手術を行う若い心臓外科医をしっかり指導を受けに送り出すべきです。患者さんの声が聞こえているはずですから-。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)