心臓ロボット手術(心臓ロボット支援下手術=ダヴィンチ)を行っている私たちの目標は「日帰り手術」です。
日帰りで受けられる手術を行ってこそ、循環器内科で浸透してきている治療(TAVI=経カテーテル的大動脈生体弁植え込み術)に肩を並べられると思っています。
患者さんは朝に受診し、手術を受け、夕方にはいろいろな管を抜いて自宅に戻る。もちろん手術の日の前に、検査などは済ませておきます。会社員の方は、手術日の1日休むだけでOK。翌日から仕事ができます。これが目標です。
私どもは心臓ロボット手術の患者さんに6泊7日で退院してもらっています。ただ、手術としては、1センチ程度の刺し傷が3つだけなので、実は3泊4日での退院でも問題ありません。心臓ロボット手術を行っている他の医療施設は退院まで15日間かかります。3つの刺し傷ではなく、4つの刺し傷と6センチ程度の小切開をしているからです。
将来的にどうすると日帰り手術になるかは、保険制度に変化が起きるかどうか、です。アメリカでは、入院が1日増えると50万円程度患者さんの支払いが増え、集中治療室(ICU)に1日長くいると、さらに20万円程度支払いが増えます。日本は1週間入院しても2週間入院しても、患者さんの負担はそれほど変わりません。そこを変える必要があります。良い治療、日帰り手術を受けると、確実に日本の医療費は安くなります。
日本の医療技術がさらに進化するためにも、将来はその保険制度を改革してほしいと願っています。それは誰あろう、患者さんのためなのです。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

