世界の医学会でホットな話題の1つがエクソソーム(幹細胞培養上清液)です。世界各国でエクソソームについての医学論文がさまざまな領域で発表されています。この数年間だけでも私の調べた限りで約100の医学論文が発表されています。

その内容は、不妊、COVIT-19の後遺症、心臓疾患、子宮疾患、腎不全、高血糖、糖尿病、変形性膝関節症、筋挫傷、免疫調節、がん、皮膚疾患、眼疾患など将来創薬にもつながる研究を始め、細胞の恒常性維持、細胞の若返り、ED、毛髪再生、アルツハイマーの改善など我々が目指しているQOL(生活の質)向上につながる論文も多数あります。また研究機関も、日本、米国、ドイツ、スペイン、フランス、中国、韓国、ロシア、ウクライナ、イラン、クロアチア、チェコなど世界中に存在しています。

私のクリニックでは難聴治療が主ですが、老化細胞の減少治療がこれから重要と考えています。病気の主な原因は老化であるという説があります。つまり年齢を重ねれば病気になるということです。一時、成長ホルモンによる治療が老化を抑える有力な治療であるという考えが広まりました。確かに成長ホルモンを投与すると体調がよく、若返ったという患者様の声をよく聞きました。成長ホルモンは幼児期にピークを迎え、その後徐々に減少し、老年期になると急激に減少し老化を促進するのでこれを補充する治療です。しかし、がんの成長を促進する可能性を指摘され、今ではこの治療は本来の保険適用である低身長症以外ではほとんど行われていません。

◆都筑俊寛(つづく・としひろ)コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京院長、フランス国立神経学研究所客員教授、医学博士、日本耳鼻咽喉科認定専門医。01年よりいびき、鼻アレルギーに対するレーザー日帰り治療に特化を始め、レーザー日帰りいびき手術の総件数は2万4000例を超える。現在はエクソソームを活用した老人性難聴の治療や難病の予防、QOL改善にも取り組んでいる。