食べ物がかみづらい、食事中にむせやすくなった、口の中が乾いてのみ込みづらいなど、年齢を重ねるにつれて口の衰えを感じる患者さんは少なくありません。こうした現象は「オーラルフレイル」と総称され、一部の歯が痛んだり抜けたりする局所の問題だけでなく、舌など、口周りの筋肉全体が弱ることで生じるといわれています。
日本歯科医師会から出ている「歯科診療所におけるオーラルフレイル対応マニュアル2019年版」によると、オーラルフレイルが見られる人が身体的フレイル(全身の虚弱)を発症する確率は約2・4倍とあります。足腰が弱ったな、外出がおっくうだなと感じる高齢者は、すでに口が弱っている可能性が高い、つまりは口からしっかり栄養を取れていない健康状態だと考えてよいでしょう。
近年は、比較的若い世代にも同様の症状が見られるようになりました。歯科治療に通う小中学生の保護者の方から寄せられる悩みの中に「疲れたといって食事を途中でやめてしまう」「滑舌が悪い」「よく食べこぼしている」といった内容が相当数あるのですが、やはりこれも顎の発育程度や筋力を含めた口全体の機能がうまく働いていない証拠です。
身近なものを使って口の力を簡単に調べられる方法をひとつご紹介しましょう。最近とても人気がある、グミを利用したチェック方法です。好きな味のグミを一粒口に入れ、のみ込むまでに何回かんでいるかを数えてみてください。ご家族みんなでそれぞれカウントしてみるのも面白いです。今はたくさんのメーカーからさまざまな商品が出ています。パッケージに「かみごたえチャート」が記載されている商品もありますので、硬さが心配な場合は標準のものからトライです。

