「脊椎脊髄外科、骨粗しょう症」等が専門の秋田大学大学院医学系研究科整形外科学講座の宮腰尚久教授がいう。

「高齢の患者さんで腰が痛い、背中が痛いという場合、椎体(ついたい)骨折を疑うわけですが、痛くて病院に行きたくなるような痛みはかなり強い痛みであり、症状のある『臨床骨折』と呼んでいます。しかし“ちょっと背中がこる、張る”というような軽い症状でも骨折していることが、じつは臨床骨折の倍以上あるといわれています」(宮腰教授)。

このような場合、実際には何年も前から痛みがあったけれど、病院にはいかず放置していたということも少なくないとのこと。そのため、本人だけでなく、家族や周囲の人も注意しておくことが大切だと宮腰教授はアドバイスする。

「いわば“知らず知らず”のうちに起きることがある、この『椎体骨折』を見つけようという研究から、皆さんが簡単に推定できる方法があります。まずひとつ目の方法は、壁に背中をつけてまっすぐに立ち、その際、頭が壁から離れてしまっていたら『胸椎(きょうつい=背中の骨)』が骨折しているかもしれません」(宮腰教授)。

もしも壁と後頭部に隙間があく場合に、胸の後ろの胸椎が骨折していると推定される。意識的に壁に後頭部をつけることができれば心配はないが、椎体骨折があると意識しても後頭部は壁につかない。