前回は「食道がんの予防法<1>」として、1合までで抑える飲酒と禁煙は理解できたと思うので、生活習慣にしてください。今回は「食道がんの予防法<2>」を紹介します。
ここで取り上げるのは「刺激の強いものは控える」です。食道壁の表面の「扁平(へんぺい)上皮」に刺激が常に加わると、がんのできることがわかっています。刺激の強いものとしては「激熱の食べ物」「激辛の食べ物」です。こういう物をしょっちゅう食べていると、食道に常に刺激が加わるので、食道がんを発症する可能性は高くなります。
日本では奈良県、和歌山県、三重県が交わるあたりの地域に暮らす人々には、昔から食道がんの発症者の多いことが知られていました。それは、地域特有の食習慣。激熱の朝粥(茶粥)を流し込むように食べる習慣があったからです。この習慣は食道がんのリスクを考え、なくなりました。激熱の食べ物を食べる習慣は中国北部にもあり、そこでも食道がんの研究が行われ、熱い食べ物と食道がんの関係が明らかになっています。
激熱の食べ物の刺激のほかに、激辛の食べ物を食べることが習慣化していると、やはり激熱の食べ物の刺激と同じ理由で、食道がんを発症する可能性は高くなります。激熱、激辛の物が好きな人はいますが、毎日の習慣にしなければ心配はないでしょう。
激熱、激辛と同じような刺激で発症するのが「バレット食道がん」。食道下部の胃との接合部にできるがんです。これは胃酸の逆流が常に起こることで逆流性食道炎が発症し、その逆流性食道炎が繰り返されることで発症するがんです。逆流性食道炎に気付いたら、すぐに治療を受けバレット食道がん予防をきちっと行ってください。(医学ジャーナリスト・松井宏夫)

