「食道がん」に限らず、どのがんもできる予防はしっかり取り組むべきです。それでも、がんが発症することはあります。その場合、重要ポイントは早期発見です。特に転移しやすい食道がんはその点が重要なので、「食道がんの早期発見法」を今回と次回の2回にわたって紹介します。

早期の食道がんは、症状が出ることはありません。「ものを食べたときに、何か引っかかる感じがする」「のどに違和感がある」といった症状に気付いた時は、何をおいてもすぐに消化器内科を受診し、早くに内視鏡検査を受けましょう。ただ、これでは早期発見にはなりません。食道がんは早期に症状が出ないからです。年に1回の内視鏡検査が欠かせません。

「食事をすると、のどにつかえて吐いてしまう」と訴えて受診し、食道がんが発見された患者さん。主治医から私どもを紹介されたその患者さんに「それまでに何か違和感はありませんでしたか?」と聞くと、「そういえば、数カ月前からのどにつかえる感じはありました」と。何か違和感があっても放置し、はっきりした症状にならないと自覚できないのが食道がんなのです。

それは、いかに飲み込む力が強いか、ということです。がんで食道の通り道が多少狭くなっているところがあっても、症状が出ないので食べたり飲んだりできます。だから症状が出たときには進行がんなのです。

早期に症状が出ない食道がんなので、常に検査を受けることが重要なのです。食道がんの早期発見には、「50歳を超えたら年に1回は内視鏡検査を」受けましょう。(医学ジャーナリスト・松井宏夫)