129期の新人は本格デビューから4カ月が経ち、4人がA級2班に特別昇班した。チャレンジ決勝は常に激しい同期対決のため、そう簡単には特昇できない。少し前になるが、ベテラン選手が新人と3日間連係し、能力をうまく引き出したことがあった。8月豊橋の鰐渕正利(56=愛知)と新人・坂井央雅(20=岐阜)だ。

ベテランの知恵と勘を伝授する鰐渕正利
ベテランの知恵と勘を伝授する鰐渕正利

坂井は本格デビュー初戦の7月別府で優勝した以降も好成績を残していたが、前検日に「毎回レースの展開が違って、学ぶことが多い。持久力が課題」と自己分析していた。

めきめきと実力を上げている坂井央雅
めきめきと実力を上げている坂井央雅

準決では、予選に続いて坂井-鰐渕が連係。前受けから最終ホームで鈴木広人にカマされたが、うまく番手にはまると2角からまくってワンツーを決めた。鰐渕は「(初手が)前受け、中団、後ろ攻め3つの作戦を立てた。前を取って鈴木がまくっても後ろは離れるだろうから、落ち着いていけとアドバイスした」。坂井は「冷静に立て直すことができ、力を出し切れた」と感謝した。S級1班に長く在籍したベテランの読みはさすがだ。決勝は、坂井と同期の福田海響が優勝。坂井は先行争いを避けて福田後位から直線勝負に懸けたが2着、鰐渕は3着だった。鰐渕は「経験と知恵はあるんでね。これが俺の役目。それで俺も生きるから。彼もきっかけをつかめば、すぐ伸びると思う」。勝ち抜くには脚力向上だけでなく、駆け引きや相手の力量を見抜いて戦うことも必要。“引き出し”を増やせば、ひと皮むけるだろう。