SG日本選手権が29日から浜松オートで3年ぶりに開催されます。元オートレース選手・益春菜さん(40)のコラム「ますますオートレース」は、前回王者・佐藤励選手(26=川口)と、3年前の浜松開催を制した青山周平選手(41=伊勢崎)のレースをプレーバック。2人の強さに迫りました。

今年も日本選手権がやってきました。飯塚での昨年覇者は佐藤励選手。そして、3年前の浜松開催を制したのは青山周平選手でした。2人が勝った優勝戦を振り返って見てみると、それぞれの強さが垣間見えました。

青山選手は、とにかく速くて強い。先頭に立つと、フタをされて終わる。他の選手はついて回るしかない展開になってしまうのが、必勝法ですよね。スタートで出ればインコースの一人旅。青山選手はアウトコースをまったく走ってないんです。内側を極めた人ですよね。だから他の選手はなかなかインコースを狙うことができないし、だからといってこのトップレベルの選手を外からまくるのも至難の業。前に出た青山選手を攻略することはそれくらい難しいと思います。

一方で前回覇者の佐藤選手は、そのときの走りを見る限り青山選手が前にいても、抜けるんじゃないかなと思わせるレース内容でした。スタートも速い、インコースからもアウトコースからもいける。優勝戦8周回第3コーナーで、有吉選手をクロスラインで抜き去る走りには、勝負強さも感じる。違うエンジンを積んでいるんじゃないかなと思うくらい全部速かった。

インコース一人旅の青山選手に対して、佐藤選手は大きく走ってどんどんスピードに乗って、自分の走りで突き放していく。まさに理想型ですよね。特にコーナースピードが速い。コーナーの腕もあり、マシンもいい。スピードを落とさないで曲がれたらその分、立ち上がりも速くその先も速い。ただバイクが伸びているだけではないと思います。インコースをふたして走る青山選手に対して、外に振って内をこじ開けるのを見てみたいですよね。やっぱり相手の内に入らないと抜けないですし、青山選手も簡単に内は譲らないでしょう。そのシチュエーションを見てみたい。

ただ2人に共通していえるのは、人の何倍も整備で動き回ってマシンをつくっているんだろうなと想像できること。今良くてもそれがいつまでも続くわけではないから、次を探さないといけない。お金もかかるし、きりがないし、モチベーションを保つのも大変。「これくらいでいいか」という妥協がトップの人たちにはない。少なくともこの2人には。だからこそ見応えのあるレースが楽しみですね。(元オートレース選手)