2予9Rでワンツーを決めた、荒井崇博、山田英明のコンビが順番に会見場に現れた。荒井はせっかちですぐに話を切り上げようとする。カメラマンやインタビュアーが焦って荒井を引き留めようとする。それを見ていた英明が「ゆっくりでいいですよ」と、穏やかな表情で答える姿は、報道陣にとって神のように見えたはずだ。
今節は寺崎浩平の凱旋(がいせん)レースでもあり、脇本雄太の健在ぶりを地元のファンは期待している。2予12Rを脇本はバンクレコードで勝ち上がった。「タイムは興味がない」と素っ気なく答えるものの、出ないより出た方がいい。脇本の場内インタビューは大きな声援に包まれた。
脇本も強いが深谷知広もかなり仕上がっている。2予11Rでまくったタイムは10秒7。脇本に少々タイムは劣るが、レースを見極める力は上回っている。準決12Rは、当然脇本が人気になるだろうが、福永大智の番手を回ることで近畿ラインをたたくことは容易になった。先行の力量は中野慎詞や深谷が一枚上だ。
深谷と脇本はデビュー当初、競輪界のライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)すると思っていた。同じ先行選手として脚力は深谷の方が強かった。しかし、結果は脇本が全冠制覇(グランプリ含む)で深谷はG1タイトルが2個。物足りないと思うのは私だけではないだろう。彼は昔から自分が信じる道を突き進むタイプだが、「自分が主役」の思いがあればもっと取れる。深谷の魅力は、対戦相手を力でねじ伏せるところ。相手は強力だが、強力近畿勢にひと泡吹かせたいところだ。(日刊スポーツ評論家)























