どーもです。途中ラウンドレポートを挟んで紹介してきたタイトリストアイアンシリーズですが、いよいよ今日紹介する「T300」アイアンがオオトリです。見た目からは「T200」と同じコンセプトで、より飛距離にこだわったモデルのような印象を受けました。果たしてそのイメージ通りなのでしょうか? その辺も含め確認してレポしたいと思います。
まずは見た目から。
構造的にはポケットキャビティでいいのかなぁ~!? 「T200」アイアンにもあったバックフェースの丸のところに、バックフェースから伸びたバーが支えているような見た目になっていました。なんかカッコイイw でも、ここがスイートエリアではないと思います。
フェースはセミラージですね。大きさ的には「T200」アイアンとほぼ同等ですが、形状は別モノ。ネック側のタテ幅が低くなり、トゥの高さも高く確保されています。イメージ的には三角形でした。
ソール幅はやや広めですが、幅的には「T200」アイアンとほぼ同等に見えました。
ネックはセミグースですが、意外だったのは「T200」アイアンよりもグース度合いが少ないこと。また、ボディもよりコンパクトで全体的に厚みがある感じになっていました。
構えてみるとこんな感じ。「T200」アイアンに比べると、確実にトップブレードも厚めでしたね。「T200」アイアンよりもグース度合いが少ないけど、トゥが立っている分、見た目でつかまりそうなイメージはありました。
今回試打したのは、スチールシャフト「NSPRO MODUS3 TOUR105」S装着モデルの#7。スペックは、ロフト角29度、ライ角63度、長さ37インチ、総重量421g、バランスD2。シャフトスペックは、重量は106.5g、トルク1.7、元調子です。
試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボール使用です。
持ってみた感覚ですが、重量的にはやや軽め。でも、グリップはまずまずの太さでした。スチールシャフトなので、手でしならせてもそれほどしなりませんが、ワッグルしてみると思ったよりもヘッドが動くイメージ。素振りしてみると、同じバランスですが、なぜか「T300」のほうがヘッドの利き方が軽めに感じました。
実際に打ってみると、飛距離的には「T200」と大きく変わりませんでしたが、ガッツリ芯を食ったときの最大飛距離に差がありました。打点がブレるアマチュアゴルファーにとってタテの距離が狂うのは宿命ですが、「T200」がミスヒットに対する寛容性が高かった分、「T300」はそこをある程度犠牲にしても〝最大飛距離を取る〟という思想に感じました。とはいえ、不思議なことに「T200」ほどオートマチックにつかまる印象がなかったんですよね~!! 「T200」がややつかまった感じで打ち出し方向から左気味だったのに対し、「T300」はほぼスクエアに打ち出せていました。しかもさらに1度立っているにも関わらず、より球が上がりやすかったです。それだけ低重心なのでしょう。個人的には、“このアイアンをあのタイトリストが出した”というのが驚きで、今回の「T」シリーズ、特にこの「T300」は他メーカーのモデルの中でもかなり高次元で欲張りなアイアンに感じました。
スカイトラックの弾道データはこんな感じで
その各球データはこちら
【3球平均】
HS39.2m/s、初速50.2m/s、打ち出し角18.7度、バックスピン量5042.7rpm、サイドスピン-433.9rpm、飛距離173.0y
【ベスト】
HS39.3m/s、初速50.5m/s、打ち出し角18.1度、バックスピン量4848.7rpm、サイドスピン-346.9rpm、飛距離173.9y
打感はマイルド。「T100」のような分厚い打感でした。イメージ的には「T200」の打感の感じでしたが、フェースの厚みの関係なのかは分かりませんが、とにかく「T200」で感じた弾き感はそれほど感じませんでした。音は「T100」に近くシャッター音でした。
弾道はこんな感じで
そのスカイトラックデータはこちら
弾道的には高弾道です。「T200」に対してロフトが1度立っているのに、さらに球が上がりやすいという、意味不明な状態です(笑) ロフトが立っているのに球が上がりやすいというのは、当然低重心だからですが、なんか物理の法則に反していていますよね~!
出球傾向は、ボクのスイングでほぼストレートから軽いドロー系。前述通り、なぜか「T200」ほどオートマチックにつかまる印象はなかったですね。つかまりについては、「T100」に近いイメージでした。
シャフトフィーリングというか、今回は振り感ですが、 なぜか「T200」よりもヘッドの効き方が軽めに感じました。仮にヘッド重量が軽いとしても、同じバランスなんですよね。これは単なる思い過ごしなのかもしれませんけど・・・
今回ボクが試打した限りでは、このスペックでHS42~43m/s辺りにオススメ。この「T300」は確実に3モデルの中で、最も飛距離にこだわったモデルです。ロフトが最も立っているというだけでなく、ボクが打った印象ではタテの距離のブレを多少犠牲にしても、最大飛距離にこだわったモデルに感じました。そう考えると、つかまりが「T200」ほどオートマチックではないのもなんとなく納得できるんですけどねぇ~。このアイアンのメリットを最大に活かすなら、打点のバラつきが少ないスイングの持ち主か、当て感の良い方におすすめかな。
最後に「T」シリーズの印象を総括すると、「T100」は従来のタイトリストイメージが好きな方向けだけど意外とクラブが仕事をしてくれる欲張りなアイアン、「T200」は扱いやすさを前面に出しつついろんな意味でバランスのいいアイアン、「T300」はとにかく最大飛距離にこだわったアイアンというのが、ボクの印象でした。
<タイトリスト「T300」アイアン>
■KAZ’sインプレッション(10点満点)
▽飛距離:9.5▽上がりやすさ:10▽操作性:8▽構えやすさ:9▽打感の柔らかさ:8▽ミスの許容度:9
■ヘッド:【#4~P、48度】17-4ステンレス【#4~#7】タングステン・ニッケル
■シャフト(重量/トルク/調子):スチールシャフト「NSPRO MODUS3 TOUR105」(S=106.5g/1.7/元調子)、「NSPRO950GH neo」(S=98g/1.7/中調子)。カーボンシャフト「タイトリストKUROKAGE60」(S=64g/3.1/中調子)
■価格:5本(#6~P)セット10万円+税、単品(#4、#5、48度)各1本2万円+税