どーもです。今日紹介するのは、ウイルソンのニューモデル「D9」シリーズのアイアンです。このアイアンも、個人的には好みではない打感ですが、ぶっ飛び系でした。#7でロフト角27度のストロングロフトモデルですが、それにしてもここまでラクに飛ばせるのは魅力的かもしれません。今回試打できたのは、カーボンシャフトモデルでしたが、飛距離を稼ぎたい方にはこのマッチングもいいかも!? というわけで、いってみましょう。
まずは見た目から。
構造的にはポケットキャビティですが、バックフェース下部に相当の厚みを確保しているのが特徴かな。
フェースはセミラージ。トップラインネック側のカーブが官能的に見えました。つかまりが良さそうなイメージも受けます。
ソール幅はセミワイド。フェース側に3つのスリットが入っていますが、これは「パワーホール2.0」と命名されていました。メーカーによれば、「フェースのたわみを増幅させて、ボールにより強いエネルギーを伝える」ようです。
ネックはグースネック。ボディはごくごくノーマルな形状に見えました。
構えてみるとこんな感じ。トップラインはやや厚めに確保されていますね。この写真ではわかりませんが、実際に構えてみると、バックフェース下部の厚みが視界に入ります。それだけ低・深重心ということでしょうが、個人的には苦手な見た目だったりします。
今回試打したのは、三菱レイヨン社製「TENSEI AV SILVER 70」Sフレックス装着モデルの#7。スペックは、ロフト角27度、ライ角62度、長さ37.5インチ、総重量386.0g、バランスD0。シャフトスペックは、重量77g、トルク3.4、中調子。
試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボール。
持ってみた感覚ですが、重量的には軽め。グリップも細めで、昨日紹介した「D9」ドライバーの感覚からすると「あれ!?」といった感じ。シャフトを手でしならせてみると、同じSフレックスでもドライバーのシャフトよりはやや柔らかめですが、こちらはやや手元にしっかり感がある感じでした。しなりポイントは真ん中あたり。ワッグルしてみると、ドライバーのようなヘッドの存在感はなく、むしろ軽めの印象。素振りしてみると総重量が軽く、ヘッドも軽めなので、振れてしまいそうな感じでした。
実際に打ってみると、打感は「D9」ドライバーよりも硬め。かなりカンカンした感じで、個人的にはあまり好きではないけど、まあ、このアイアンも弾道がすんごでいすわ!! 何がスゴイって、まずはその打ち出し角。ロフト角27度のストロングロフト系ですが、ドーンと高めの打ち出し角で、上がりやすさは文句なし!! しかも、見るからにスピン量少なめ。両者を確認すると、3球平均で打ち出し角17.5度、スピン量は約4300rpmと高打ち出し低スピンでした。ただ1つ気になったのは、つかまりです。ソールしただけで、ヘッドがグリンと返るほどで、恐らく重心角が大きめだと思います。フッカーのボクは、ややカット打ちイメージでいい感じのつかまりでした。これは「D9」アイアン単体で考えれば“つかまりのいいアイアン”ですが、昨日紹介したドライバーとのセッティングを考えると、あまりにも真逆な性格に感じたのが、ちょっと気になってしまいました。
スカイトラックの弾道データはこんな感じで
その各球データはこちら
【3球平均】
HS40.3m/s、初速51.6m/s、打ち出し角17.5度、バックスピン量4295.0rpm、サイドスピン-708.0rpm、飛距離187.0y
【ベスト】
HS40.0m/s、初速51.3m/s、打ち出し角18.2度、バックスピン量3903.6rpm、サイドスピン-733.4rpm、飛距離189.4y
打感はカッチカチの弾き系。自分史上1、2を争う感じでした。ちなみに、自分史上最もカッチカチだったのは、マレージングがフェースに採用された初期のころのルーツゴルフのアイアン(記憶では「アーメット」だったような…)です。音もカンカンした甲高さがあって、より硬さを感じました。
弾道はこんな感じで
そのスカイトラックデータはこちら
弾道的には文句なしの高弾道ですね。同じ「D9」ですが、ドライバーのような条件はつかず、ごくごく普通にボールが上がりやすいと思います。個人的には苦手な見た目ですが、あれだけバックフェース下部に厚みがあれば、かなり低重心かつ深重心を実現できるしょうからね。この2つをバランスよく組み合わせれば、高弾道ロースピンの実現は簡単でしょうね。
出球傾向はボクのスイングでいい感じのドロー系ですが、これはちょっとカット打ちをイメージです。ボクの感覚でちょっとカットですが、それでちょうどいい感じのつかまりといった感じでした。まあ、ボクにはちょっとつかまり過ぎですね。
シャフトフィーリングと振り感ですが、クセのないしなり感でシャープに振れる印象でした。ドライバーよりも手元にしっかり感があるイメージですが、ヘッドが軽いので、切り返しでもう少しだけヘッドを感じられればとう感じはありました。
今回ボクが打った限りでは、このスペックでHS38~40m/sあたりにオススメですが、HS42m/sくらいが上限ですかね。かなりつかまりがいいイメージで、これはあくまでもボクの感覚ですが、ドライバーとはある意味真逆で、正直「ここまで違って大丈夫なのかな?」と思ってしまうほどでした。単体で使う分には、いわゆるスインガータイプ向けで、持ち球的にはスライスの方向けかな。そんな方がスイングを変えることなく、ストレートや軽いドロー系を打てそうな気配でした。ボクのようなプチヒッターでは、ややカット気味に打つ必要がありそでしたね。スチールシャフトもあるようですが、今回打ったカーボンシャフトモデルでは、そう感じました。
<ウイルソンスタッフ「D9」アイアン>
■KAZ'sインプレッション(10点満点)
▽飛距離:10▽上がりやすさ:10▽操作性:8▽構えやすさ:7▽打感の柔らかさ:6▽ミスの許容度:9
■ヘッド:不明
■シャフト(重量/トルク/調子):三菱レイヨン社製「TENSEI AV SILVER 70」(S=77g/3.4/中調子、R=不明)
■価格:オープン価格